新ブログ「べっぷ移住物語」

東北 山形県

古き時代の湯治場の風情が残る、肘折温泉郷

2015/09/05

現在 1 / 1 ページ目

ゴールデンウィークの四連休初日、山形蔵王温泉に一泊した私たちは、日帰り温泉『蔵王大露天風呂』に立ち寄った後次の目的地を目指します。

次なる目的地は肘折温泉です。肘折温泉には5年前に一度来ているのですが、前日に宿を取った鳴子温泉からあまりにも近かったのでどこにも寄らずに通過してしまい、それが長年ずっと心残りだったのでした。

肘折温泉に宿があれば言うことなしなのですが、肘折温泉の観光協会に電話で問い合わせてみると、生憎すべての宿が本日は満室なんだそうです。

蔵王大露天風呂の休憩所で、正午近くまで近辺の温泉地の観光協会や宿に直接電話をかけまくるも、結局どこにも空室は見つからず、肘折温泉ぐらいの規模の温泉街なら、直接温泉街をローラー作戦で当たるとまれに観光協会が把握していない空室が見つかることがあるので、ダメ元で肘折温泉に向かうことにしたのでした。

肘折温泉は寒河江からのアクセスルートが地すべりで通行止め(2014年5月現在)

肘折温泉へのアクセスルートは、月山の東側の中腹を南北に突っ切る国道458号線のみ。本来蔵王からなら、南側の寒河江から入るのが最短ルートですが、私たちが山形を訪れた2014年5月上旬は、寒河江〜肘折間が雪崩で通行止の為、新庄の方から北に大回りする必要があります。

蔵王から新庄へと通じる奥羽街道沿いには、天童温泉や東根温泉などの温泉地が点在していますが、地図で見る限りどこも街の中にある温泉のようで、いまいち興味をそそられずスルーすることに。

新庄や寒河江にも温泉はあるみたいだし、天童温泉に泊まるんだったらその辺のビジホでもいいや。

蔵王から下山。庄内平野が見えてきた

奥羽街道をしばらく走ると、天童市の市街地に入りました。

天童温泉のある天童市

天童市は将棋の駒の生産が日本一で、街のあちこちに将棋の駒を模った看板とかオブジェが立っています。

天童市内には特産品の将棋の駒のオブジェがたくさん

しかし、地元の人には申し訳ないけどちょっとこのセンス、だ、ダサいな…

古い喫茶店とかにありそうな、ガラスケースに入ったでっかい将棋の駒の飾り物とか、ああいうのに通じるダサさ。将棋の駒を猛プッシュされたところで、多くの人は「へぇ・・・」ぐらいの感想しか持てないでしょう。そういや、以前旅番組で紹介されてた天童温泉にあるどこかのホテルの大浴場も、湯船が将棋の駒の形だとか言ってた記憶。

天童市の国道沿いは工業地帯になっていて、通りからは温泉街らしき町並みなどは見られませんでしたが、一軒だけ巨大なグランドホテルと道の駅があり、道の駅の駐車場は満車状態でかなり賑わっているようでした。

個人的には、天童温泉はわざわざ遠方から温泉目当てに行くような感じの温泉地とは思えませんでしたが、意外とお客さんいるんだな。

天童市を過ぎて東根市に入ると、辺りは見渡す限り果樹園などの農地が広がる田園地帯。しかし、こちらも通り沿いから温泉街は見えません。これだけ見晴らしのいい場所でホテルらしきが見えないということは、東根温泉はそれほど規模の大きな温泉地ではないんでしょうか。

奥羽街道沿いに果樹園の広がる東根市

道の駅にて、米沢ステーキ重と名物板蕎麦を食す

道の駅むらやまにてトイレ休憩。奥羽街道沿いにはラーメン屋や全国チェーンの大手外食産業の店舗などはぼちぼちとありますが、いまいち観光旅行で敢えて入りたくはない感じなので、ついでに昼食も道の駅で済ませていくことにしました。

道の駅むらやま

米沢牛ステーキ重(1600円)と板蕎麦(750円)を注文。微妙に昼時は過ぎていたため、レストランは空いていましたが、忘れられてるんじゃないかつーぐらい、料理が出てくるのに時間がかかりました。20分ぐらい?この分だと、正午過ぎのピーク時にはかなり待たされるでしょう。

値段は手頃だが結構待たされる道の駅むらやま

米沢牛はサシの脂が美味しい肉質で、少量に見えたお肉でも充分お腹いっぱいになりました。

脂身たっぷりな米沢牛

何故かステーキ重よりはるかに遅れて、板蕎麦が出てきました。板蕎麦もステーキ重も、この値段でホントにいいの?ってぐらい美味しくて、待たされたけど最終的に大満足。

山形名物板蕎麦

ではでは、昼食を済ませて再び肘折温泉を目指し出発です。

ゴールデンウィーク中でもスキー場が営業している肘折温泉周辺

JR奥羽本線舟形駅県前から県道31号線→330号線へ。進行方向の先には雪を頂いた月山が横たわっています。

進行方向に横たわる雪を頂いた月山

雪解けで水量を増した銅山川に沿って走ることしばし。

雪解け水で濁流となった銅山川

国道458号線に折れると、道はどんどん標高を上げて行きます。

どんどん標高が上がっていく国道458

一面雪の残るだだっ広い平地に出ました。

春スキーが楽しめる湯の台

ここは湯の台スキー場。彼方にはスキーのゲレンデが見えましたが、国道沿いでは平坦な地形を活かして、お揃いのピブスを着た学生っぽいグループがクロスカントリーの練習をしていました。

平成24年、肘折温泉は大規模地すべりで危機的な状況だった!

雪原の広がる湯の台を過ぎ、トンネルを抜けると、眼下に肘折の温泉街が見えてきました。

国道から見下ろした肘折温泉

あれ?2009年に来た時には無かった巨大なループ橋みたいなのが出来ていますね。

5年前にはなかった大きな橋が

この橋は肘折希望(のぞみ)大橋という名称で、平成25年11月に完成したばかりのできたてホヤホヤの橋です。

ん?のぞみ・・・大橋?

ありえないスピードで建設された希望(のぞみ)大橋

しかし、何か妙なデザインだな。橋脚なんて足場みたいだし、ひょっとして作ってる途中なのかな?と思ったのですが、この希望大橋は何と平成24年8月に着工、平成25年11月に完成という超突貫工事で建設された物。

ちょっと造りかけみたいにも見える希望大橋

何でも、以前あった国道からのアクセスルートだった県道が、平成24年春に大規模地すべりによって寸断され、急遽新しい道を造る必要に迫られたんだそうです。

ところで、蔵王から肘折に行くまでに奥羽街道を新庄まで迂回を余儀なくされた、国道458号線寒河江〜肘折間の土砂崩れは2013年夏ということなので、これとはまた別の話。

次から次へとトラブル続きですが、日本有数の豪雪地帯として知られる肘折温泉の周辺は水資源も非常に豊富で、それが災いし土砂災害を引き起こしやすいという側面も持っています。

平成24年の地すべりにおいては、崩れた土砂が温泉街を流れる銅山川を堰き止め、一時は温泉街がダム化する危険にも迫られていたそうです。てっきり前もって計画されていた橋の建設だったと思ったら、そんな大騒ぎになっていたとは。

地すべりの被害と希望大橋建設の詳細につきましては、大蔵村が作成した動画がありますので以下を御覧ください。

▶ 日本一の鋼製ラーメン桟道橋「肘折希望大橋」完成までの記録 - 仮開通までの記録 - YouTube

▶ 日本一の鋼製ラーメン桟道橋「肘折希望大橋」完成までの記録 - 本復旧工事 - YouTube

肘折温泉の日帰り温泉『いでゆ館』は観光案内も兼ねている

温泉街入り口にある大きな建物は、肘折温泉の地域センターも兼ねた日帰り温泉施設肘折いで湯館。いかにも公共施設といった学校みたいな外観の建物なのですが、この連休中偶然にもツレの友達が別口で山形に旅行に来ているそうで、その友達といでゆ館の前にで待ち合わせ。

日帰り温泉『いでゆ館』

しかし、国道からも見えましたが、建物前の広場にあるこの謎の形の雪山は何ぞ?

いでゆ館前の謎の雪山

友達はまだこちらに向かっている途中とのことなので、先に今夜の宿探しをしますかね。部屋取れたらいいな・・・

いでゆ館の中には観光案内も併設されていて、ここに来る前に一度電話で問い合わせた際「温泉街の宿は全て満室」とすでに言われてはいたんですが、ダメ元でもう一度直接聞きに行ってみるもやはり答えは同じ。まぁ、世の中そんなには甘くないですわ。

では、温泉街を直接ローラー作戦で当たってみるとしましょう。

温泉街を流れる銅山川は、濁った雪解け水が濁流になっていました。

温泉街を流れる銅山川に掛かる橋
雪解け水で濁流となった銅山川

ああ、懐かしの肘折温泉に今再び。午後4時前の温泉街はまだ浴衣姿の宿泊客の姿はまばらですが、宿の前に掲げられた歓迎看板には、どこも予約客の名前がぎっしりです。

浴衣姿の宿泊客がちらほら
5年前と変わらぬ肘折温泉の温泉街
湯治客相手の食料品店が軒を連ねる

ゑびす屋が管理をする秘湯『石抱温泉』とは?

温泉街の中にある、銭湯的な共同浴場【上ノ湯】の周りには、雰囲気のいい湯治宿が何軒かあり、焼き鳥屋さんもあるので夕飯が付かなかったことを考え、この辺りから宿を探すことにしましょう。

雰囲気のいい宿が集中する、共同浴場『上ノ湯』周辺

まず始めに突撃したのが、こちらゑびす屋さん。

石抱温泉の管理をしているゑびす屋

この宿については、実は5年前に肘折温泉を訪れた時の記事にちょろっと書いたことがあります。肘折温泉は肘折温泉郷とも呼ばれ、付近には旅館が二軒と日帰り温泉があるだけの黄金温泉という温泉地と、石抱温泉という野湯が一つあるだけの温泉地とも言えないような温泉があるのですが、その石抱温泉の管理をされているのがゑびす屋さんなのです。

そういえば、並びにある焼き鳥屋が入った建物の名前も【ゑびす館】ですが、ここもゑびす屋さんの持ち物なんでしょうか。確認していないので不明。

旅館ゑびす屋の並びには、ゑびす館という飲み屋が入ったビルがある

まぁ、そして案の定というかゑびす屋さんは本日満室。やっぱりね。

石抱温泉に入れるのは例年6月下旬から・・・(´・ω・`)

それならそれで仕方ないので、前回入れなかった石抱温泉には入りたいな、と思ったのですが、残念ながら石抱温泉に入れるようになるのは、例年6月末ぐらいからなんだそうです。

二回来て二回とも入れないとは。よっぽど縁がないんでしょうか。

ちなみに、5年前の石抱温泉の記事はこちら 肘折温泉から日本海へ | 温泉ブログ〜なんちゃら街道〜

温泉街入り口の比較的新しい宿『五兵エ旅館』

結局、上ノ湯周辺の宿は全てアウト。そのまま目につく宿全てに問い合わせながら歩いて行くうち、旅館街の入口にまで来てしまいました。

宿が決まらぬまま温泉街をウロウロ

新しめの建物の五兵エ旅館で声をかけると、奥からおばあちゃまが出て来られました。本日の空室を尋ねると、少し迷って「有り合わせの食事でもいいなら」ということで、何と泊めていただけることに!

肘折温泉では新しい『五兵エ旅館』

うぉぉぉ~!今回ばかりはちょっとダメかもと諦めかけてた私だけど、ありがたや五兵エ旅館様〜!しかも夕飯も準備していただけるとは。

黄金温泉カルデラ温泉館は、肘折温泉郷の宿泊客は割引料金で利用できる

荷物を部屋に置いて、すでに肘折温泉に到着していたツレの友達と合流する為、いでゆ館を目指します。

五兵エ旅館の客室

これからその友達と一緒に、黄金温泉の日帰り温泉『カルデラ温泉館』に行くのですが、五兵エ旅館のおばあちゃまにその話をすると、「割引券があるから持ってけ」とのこと。

しかし、長く割引券は使われていなかったのか、奥の部屋でガタガタ引き出しを探すような物音が。そういえば、どこの宿もこれだけ満室だというのに、五兵エ旅館の客はどうも私達一組だけのようです。

建物が新しいので、他の有名旅館に比べればやや趣には欠けますが、掃除も行き届いてるしトイレはウォシュレット付きだし、おばあちゃまも愛嬌いっぱいで客が寄り付かないような宿にはとても見えません。何より観光案内の方で何故五兵エ旅館の空室だけを把握していなかったのでしょうか?何か訳ありと見受けました。

ようやく割引券が見つかりましたが、おばあちゃん曰く「これでいくらか安くなるはず、いくらかは忘れたけど(笑)」

二種類の源泉を持つ日帰り温泉『カルデラ温泉館』

友達と合流し、先ほどの銅山川に架かる橋を越えて川沿いを走ること5分ほど。

肘折温泉から黄金温泉へは車で五分ほど

前方に特徴的な八角形の屋根をした、黒っぽい建物が見えてきました。

特徴的なカルデラ温泉館の外観

カルデラ温泉館は珍しい?炭酸泉の温泉だそうで、男女別の内湯の他に露天風呂や休憩室もあります。料金はおとな450円で、割引券は50円引き券でした。

カルデラ温泉館入り口

しかし、この時まだ午後五時だというのに、露天風呂のみがもうすでに営業を終了していました。何〜!

露天風呂が一時間おきに男女入れ替え制とか、ちょっとシステムが変わっている

カルデラ温泉館には露天風呂が一つしかなく、そのため一時間おきの男女入れ替え制になっています。男女混合グループだとどちらかの性別が露天風呂に入れないという事態にもなりかねません。何で一個しか造らんかったんやろね?元は混浴だったのかな。

営業時間は季節により変動します。詳細はカルデラ温泉館HPで確認のこと。

外から見えた六角形の建物がお風呂のある建物で、男女の浴室入り口の前には、建物の六角形を半分にした形の飲泉所がありました。

カルデラ温泉館内にある飲泉所

飲んでみましたが、炭酸のシュワシュワ感はそれほど感じませんでした。

それほどシュワシュワ感はない

珍しい炭酸泉は飲泉所のみ。お風呂は肘折温泉と同じ炭酸水素塩泉

浴室は大正ロマン風のシックでおしゃれな内装です。泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉・・・って、あれ?炭酸泉じゃないの?

炭酸泉とは、二酸化炭素(CO2)が含まれた温泉であることは言うまでもありませんが、炭酸水素塩泉は重曹または重炭酸土類(カルシウムorマグネシウム)が含まれた温泉で、略記はHCO3泉。

この二つは名前が似ているだけで全くの別物なのですが、後日ググってみると、カルデラ館はお風呂と飲泉所は違う源泉で、炭酸泉なのはやはり飲泉所のみでした。

珍しい炭酸泉は結局お風呂の方ではありませんでしたが、カルデラ館のお風呂はこういう施設としてはかなり貴重な、循環・塩素消毒無しの掛け流しです。但し、源泉温度が高いので加水されています。

湯治客相手の食材を売る店が立ち並ぶ肘折温泉の温泉街

ツレの友達と別れてカルデラ館を後にし、五兵エ旅館に一旦戻ってから温泉街を散策です。

浴衣に着替えて温泉街を散策

日帰り温泉のランドマーク、肘折郵便局。

肘折郵便局

ここは建物だけが保存されており、郵便局は現在は他の場所に移転しています。

建物が密集する路地には、お土産物屋の他に酒や食品を売る店が軒を連ねています。

土産物屋にも食料品が置いてあることが多い

湯治客相手の食料品店もあり、こんな山の中の温泉街なのに魚屋や肉屋もあるのは、さすが有名な湯治場です。店先に並んだ食材の中で気になったのが、どこの店にも必ずあったキノコの水煮缶!大半はなめこの缶詰なのですが、今どきなめこなんて年がら年中買える食材なのに、缶詰なんて売れるのかな?
あと、こんな『かのか茸』とか聞いたこともないキノコの缶詰もありました。山形の人って、キノコ好きなんだね。

かのか茸の缶詰

いでゆ館前の雪山は巨大雪だるまの残骸だった

お土産物屋さんに、こんなクリアファイルが売られていました。

おおくら君1世のクリアファイル

おおっ!これはいでゆ館の前にあった雪山の在りし日の姿。「おおくら君」のおおくらって何?と思ったら、肘折温泉があるのが山形県最上郡大蔵村だから。一つ謎が解けました。


宿に帰ると、夕飯の支度ができていました。

夕飯は隣の部屋に準備していただいた

しかし「有り合わせ」なんてご謙遜、お膳からはみ出す勢いです。つーか、お、多くね?しかもお銚子一人に一本付き!

五兵エ旅館の夕食はお膳に乗りきらない程の量

これは、前回蔵王温泉の居酒屋のお通しでも出た山菜のおひたし。しかし、前回「ぜんまい」と書きましたが、これはこごみという別の山菜なんだそうです。これ、東京ではほぼ見ないですが、美味しくてハマってしまいました。

こごみのおひたし

そして、おすましに入っていたこの平たい薄い物体、これはキノコの缶詰同様肘折の食料品店には必ずあった庄内麩というお麩です。

庄内麩のおすまし

お味は、決して”麸”という感じではなくて、う〜ん?例えるなら、焼いた餅を雑煮に入れた時に、表面の焦げた面が汁を吸ってデロンとなったみたいな食感&香ばしさ、ですかね?あくまでも個人の感想なので、みんなが同じように感じるかは自信ないです。でも、これも結構ハマる美味しさ。

タケノコやウドの煮物には、ニシンの昆布巻きと身欠きニシン?みたいな乾燥した魚を戻した奴が入っていました。そういや、昼間に昼食を食べた道の駅むらやまでも、板蕎麦に昆布巻きニシンが付いて来たっけ。昆布巻きニシンっておせち料理のイメージしか無かったけど、この辺りの郷土料理なんでしょうか。

煮物にニシンの昆布巻きが入っている

他にも山菜の天麩羅、お刺身、タコワサ(自家製)、山菜のおひたし数皿・・・そしてご飯の他に、納豆餅とあんこ餅まで付いてきて、さすがにこんなにゃ食えん。

ご飯を潰しただけの不思議な触感のお餅

納豆餅とあんこ餅に入っていた餅は、おはぎの中身みたいに米の粒がしっかり残っている不思議な食感。これもこの辺り特有の調理法なのかな?調べたけど分かりませんでした。

飛び込みで食事まで用意して頂けたのに、残すのは申し訳ないとかなり頑張って食べたのですが、いやコレ多すぎるわ・・・私はおかずはどうにか八割ほど食べきりましたが、ツレは半分以上残していました。

食後は五兵エ旅館の内湯に入ります。五兵エ旅館には男女別の内湯が各1ずつありますが、今日は私達しか客がいなかった為、一緒に男湯に入らせて頂きました。

五兵エ旅館の内湯

女湯の湯船はこれより一回り小さいような感じです。お湯はうっすらと茶色がかっていて、温泉の注ぎ口は茶色く変色していました。

茶色に変色した温泉注ぎ口

泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。循環消毒なしの掛け流しですが、高温のため加水されています。源泉は組合の共同源泉を複数混合泉(組合3・4号or2・3・4号)。

上ノ湯と旅館の共同源泉は泉質が微妙に違う

翌朝、朝食を済ませると昨日前を通った上ノ湯に行ってみることに。上ノ湯の方は五兵エ旅館のとは違う上の湯共同源泉という源泉を用いており、泉質は同じナトリウム-塩化物・炭酸水素塩ながら、濁りの全くない無色透明のお湯でした。肘折温泉の宿泊客は無料とのことで、浴衣を着たまま行ったらそのまま通してくれましたが、本来は宿泊客であることが証明できるチケットか何かあるのかも知れません。


上ノ湯から戻ると、そろそろ出発の支度です。先に会計を済ませるため玄関前に行っていたはずのツレが、玄関脇の居間に通されおばあちゃんとみかんを食べていました。

私もあれこれ勧められ、みかんやらお茶やらキャラメルやら頂きました。本当に、いきなり予約もなしにやってきた一見客なのに、こんなに良くして頂いて恐縮しきり・・・

居間には一間以上ある仏壇があって、鴨居にずらっとご先祖様の遺影が飾られています。

お会計は、二人合わせて11,152円。何たる良心価格でしょうか。手渡された領収書には、『代表 横山勇太郎』の勇太郎を消して、『美代子』と書き換えられていました。

仏壇には、比較的新しい男性の遺影が飾られていました。あれが勇太郎さんなのかな。

結局、この日の宿泊客は私達二人だけでした。五兵エ旅館にはおばあちゃんの他に息子さんもおられましたが、おじいちゃんが亡くなって積極的にはお客さんを取らなくなってしまったのか、それとも湯治がメインの肘折温泉には、連泊客専門の宿も多いので、五兵エ旅館も本来は一日だけの客は取っていなかったのかもしれません。

肘折温泉のお年寄りの訛りはかなり難解

しかし、会計が済んでもおばぁちゃんのおしゃべりは終わらない。しかも訛りが強烈なので、ツレは最初から最後まで「???・・・」って顔してました。私は女同士だからか、推測でだいたい言ってることは理解出来ましたが、おばぁちゃんどうやらツレが食事を半分以上残したことを気にされて、「口に合いませんでしたか」と聞いておられたのでした。

ツレはいわゆる「三角食べ」が出来ない人で、特に旅館の食事のようなちょっとずつ何種類もおかずが出てくるような食事だと、肉や漬物だけ食べて小鉢などはいつも大半残してしまいます。もっとペース配分考えてバランスよく食べる努力はして欲しいんですけどね、こういう民宿みたいなとこだと、作った人がそばにいるので尚更申し訳ない気分になります。

そろそろおいとましようと腰を上げるも、「お茶一杯しか飲まないなんてありえない」という謎の理屈でさらに2〜3杯頂き、ようやく出発。

肘折温泉、ホントに良かったなぁ・・・温泉もいいし、温泉街も風情があって素敵だし、何より人がいい。人懐っこくて底抜けに陽気な肘折温泉の人々の気質は、大雪や地すべりなどの厳しい自然環境にも負けない、芯の強さから来る物なのかも知れません。

この後の行き先は決まっていませんが、とりあえず米沢の方に行ってみようと思います。天気予報は昼から雨。どこまで降られずに進むことが出来るでしょうか?

・・・つづく

肘折温泉 五兵エ旅館へのアクセス

住所:山形県最上郡大蔵村南山471

Tel:0233-76-2205

URL:http://hijiori.jp/yuyado/(下の方)

PR:

現在 1 / 1 ページ目

-東北, 山形県
-, , ,

 
べっぷ移住物語banner

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでなんちゃら街道をフォローしよう!