新ブログ「べっぷ移住物語」

東北 福島県

茅葺き屋根の鄙びた温泉地、岩瀬湯本温泉『源泉亭 湯口屋』

2015/09/05

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2013年の夏、日本列島は例年よりかなり早く梅雨入りしたので、その分明けるのも早く、7月上旬にはすでに関東地方は梅雨明け宣言がされていました。さすがに気象庁もちょっと見切り発車したんじゃないかと声も聞かれましたが、案の定梅雨明け後も愚図ついた天候が続き、海の日の連休も朝から曇り空。

せっかくの連休だし、出かけるつもりにしていたのですが、この空模様だとちょっとなあ・・・

行きつけのレンタカー屋に問い合わせてみるも、生憎車は全て出払っているとのこと。

しかし、この連休を逃すと8月中は祝日が全くないし、しょうがないので降られるのを覚悟でバイクで出かけることにしました。

昼の二時前に東京を出発。東北道を北上中、鹿沼あたりから急に気温が下がったと思ったら、パラパラと雨が降り出しました。

白河インターに到着した頃には、雨は土砂降りになっていました。

白河インターで下道に

白河市街地から30分ほど会津若松方面に山道を進見ます。

羽鳥湖への山道

羽鳥湖に到着。人造湖です。

ダム湖の羽鳥湖

湖畔の別荘地を抜けてさらに30分ほど走ると、ここまでずっと何もなかった国道沿いに農地や住宅がポツポツと見えてきました。岩瀬湯本温泉は、国道からさらに少し脇道に入った住宅街の中に、数軒古びた温泉宿のあるだけのこじんまりとした温泉地です。

岩瀬湯本温泉のメインストリート

100メートルほど進むと本日の宿の源泉亭 湯口屋に到着。

源泉亭 湯口屋玄関

今回は珍しく、出発前に予約を取ってから来ました。

湯口屋は温泉街の中でも際立って大きくて古い建物で、玄関の前には地域の共同浴場があります。建物前には選挙のポスターを貼るボードが立てられていて、ここが地域の人のランドマーク的な場所なのがよく分かります。

湯口屋の真ん前は共同浴場

古民家風のシックな建物の脇には、これまた古びた白い洋館のような建物があり、一階は駐車場になっているようですが、バイクはここに停めたらええんかな?

湯口屋の隣には白い洋館のような建物が

宿の玄関を開けて声をかけると、奥から宿の方がが出てこられました。聞くと、やはり隣の建物はこの宿の駐車場でバイクはそちらにとのこと。

隣の建物はよく見ると上の方に郵便マークらしきが付いていて、元は湯便局か何かだったようです。宿の建物と駐車場の建物は、二階が渡り廊下で繋がっていました。

ではバイクを停めてチェックイン。

玄関を入ってすぐに階段があり、その上は広々としたロビーになっています。階段の両脇には男女の暖簾が下がった浴室がありました。

玄関の両脇にお風呂

玄関入ってすぐにお風呂があるなんて、珍しい構造の建物です。ひょっとしたら、建物前の共同浴場が出来る前は、ここの温泉がその役割を担っていたのかもしれません。

通された部屋は、先程バイクを停めた郵便局の建物の二階でした。

通された客室は駐車場の二階

旅館の客室として改装されてはいるのでしょうが、それほど新しい感じがしないのは、ひょっとするとかつても住み込みの人の居住空間だったりしたのかな?

早速、濡れた合羽を脱いで、浴衣に着替えて温泉へ。

お風呂は内湯が男女×1のみ

お風呂は、先程玄関脇にあった男女別の内湯が各1ずつあるだけです。写真は女湯。

源泉亭湯口屋 女湯

古びた宿の建物の中で、風呂場だけは新しく改装されていました。泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉です。

お湯の注ぎ口

湯温はかなり熱めで45度以上はありそうな感じですが、浴室内の換気が行き届いているので、蒸気でのぼせること無く割と長く入っていられました。

そしてこの温泉が、実際湯温が高めなこともあるのですが、物凄い内側からジワジワ効いてる実感が得られる泉質なんですね〜。

露天風呂とか無いけど、この泉質ならお湯に惚れ込んで通う人もいるだろうなぁ。たまらん。

囲炉裏のある居間も歴史を感じる重厚な造り

夕飯は広間食になりますが、案内された部屋は広間というより囲炉裏のある居間で、囲炉裏の周りには他の宿泊者が数組腰を掛けていました。

夕飯を食べる居間

写真は他の人たちが部屋に帰ってから撮りました。私たち両方とも酒飲みだから、普通の人達より夕飯食べるの時間かかるんだよね。

食前ににごり酒のサービス。いいねぇ〜

食前酒を飲むツレ

食事は美味しくてボリューム満点。肉に魚に蕎麦まで。しかし年々キツくなるなぁ、旅館の食事・・・歳取りたくないな(*´Д`*) 〜з

居間の片隅には、旧家らしく巨大な仏壇があり、仏前には遺影が何枚も飾られていたのですが、近くに行ってよく見てみると、女性の顔が歴代みんな同じ(笑)女系家族なんですかね?

居間には旧家らしく大きな仏壇が

仏壇の上には、全国的に有名な白河だるまの産地らしく大小様々なサイズのダルマが、神棚と一緒に飾ってありました。

また、仏壇のそばに置かれた行李の上には、可愛いフリルがあしらわれたクマの毛皮が(笑)

クマこっち見んな

クマの毛皮になんでこんな小細工をww 絶対可愛くなりようがないのに。クマも死んでなお自分の毛皮がヒラヒラにデコられて飾られてるとは、夢にも思わなかったでしょう。恨めしそうにこちらを見ている(ように見える)クマの毛皮。

こっち見んな(笑)

湯口屋のお風呂は深夜は入れない

夕食が済むと、部屋に戻ってしばらく休憩してから再びお風呂へ。

この宿ちょっと残念なのは、深夜23〜4時まではお風呂に入れないということ。悔いのないように今のうちに入っとかないと。

一見匂いも色もない特徴にかけるお湯なのですが、少し浸かればその強力な温泉パワーに誰もが気が付くと思います。こういうのをきっと『薬湯』って言うのでしょう。

実際湯温が高いこともあるのですが、体の心から温まるので湯上がりは汗だくです。

さて、そろそろ寝るとしますか。しかし窓の外は相変わらず本降りの雨。明日は止むといいな・・・

地元専用の共同浴場『おもで湯』は、宿泊客も利用可能

昨夜の本降りの雨は、早朝から小雨が降ったりやんだりに変わり、チェックアウトの時間帯にはあらかた上がっているようでしたが、山のいただきは濃いガスに包まれています。

朝食の後、昨日から気になっていた表の共同浴場に入りに行くことにしました。

湯口屋の真ん前にある共同浴場『おもで湯』

入り口には、地元の人以外は使用禁止との旨の注意書きがされていますが、温泉街の宿泊客は無料で入ることが出来ます。

それ以外の人の為に、脇には足湯も併設されていました。

おもで湯に併設された足湯

浴室は男女別で、5人ほど入れる湯船とカランが2つか3つぐらいありました。

おもで湯内部

しかし、湯口屋の真ん前にあるので、てっきり湯口屋の源泉を引いてるのかと思いきや、これが全く違う泉質のようです。

湯温は湯口屋と同じくらいか、さらにちょっと熱いくらいで、無色透明のお湯なですがこちらは底に大量に湯の花が溜まって行いて、その湯の花が見たこともないような鮮やかな赤茶色をしています。湯の花を手で触ってみると、まるで泥の塊のよう。

大量に湯の花が漂うおもで湯

手桶に汲んでみましたが、いまいち上手く写せませんでしたが、こんなに大量の湯の花が漂う温泉は、日本広しといえどもそう多くはないのではないでしょうか。お湯の良さが、見ただけでも伝わってきます。

おもで湯の真っ赤な湯の花

風呂上がり、おもで湯の前からふと脇を見ると、湯口屋の隣にも同じぐらいの規模の茅葺きの宿がありました。しかしそっちはもう廃業してしまったようで、立派な茅葺き屋根は朽ちるがままに放置されていました。

湯口屋の隣の旅館はもう廃業していた

では、共同浴場であったまったし、そろそろチェックアウトの準備の為に部屋に戻りますかね。

宿の玄関

その前に、玄関の前の階段を上った場所にあるロビーで一服。

玄関前のロビー

岩瀬湯本温泉の温泉街は、戊辰戦争で焼き払われた歴史があった!

鴨居には、この宿に由緒のありそうな古い錦絵などがたくさん飾られていました。

鴨居にたくさん飾られた錦絵など

この一帯は、戊辰戦争における会津戦争の際に、新政府軍に侵略されることを恐れた会津藩の命により、地元住民の手によって全ての建物が焼き払われたという歴史があります。この宿の建物もその時に失われ、今の宿はその後に再建されたものなんだそうです。

錦絵に描かれたストーリーなどは分かりませんでしたが、おそらくその会津戦争の一場面を描いた物だと思われます。

さらに、私たちが岩瀬湯本温泉を訪れた2013年は、ちょうど大河ドラマで会津ゆかりの人物である新島八重の一生を描いた『八重の桜』が放送されており、あまりにもリアルタイムだったためより一層感慨深いものがありました。

隣の郵便局は国道沿いに移転

湯口屋の歴史に関する資料がいくつかロビーに置いてありましたが、そういえば私たちが泊まった建物はやはり元は郵便局だったそうです。元はこちらの建物の一階が郵便局だったそうですが、その後新しく隣に郵便局の建物が建てられて、一階が郵便局そして二階はその当時から客室として使われていたんだそうです。

現在は郵便局は国道沿いに移転しています。この後移転した郵便局の前も通りましたが、まさかそんな由緒があろうとは想像もつかないような、至ってフツーの郵便局でした。


内湯しかないけど、その強すぎるほどの効能と建物の風情、そして気持ちの良い接客にすっかり心満たされたいい宿でした。

めちゃくちゃ温まる泉質なので、夏場より涼しい時期の方がお薦めです。

今から進行方向にそそり立つ雲に覆われた山の頂に向かって行くのかと思うと、いっそこのままここで連泊したいような気分にすらなりましたが、次なる目的地の二岐温泉に向かって、出発!

岩瀬湯本温泉 源泉亭湯口屋へのアクセス

住所:福島県岩瀬郡天栄村岩瀬湯本温泉

Tel:248-84-2001

URL:http://gensen-yuguchiya.com/index.html

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