新ブログ「べっぷ移住物語」

宮崎県

日本三大秘境「椎葉村」で絶品蕎麦を食す!

2016/05/21

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九州旅行五日目、人吉駅前の駐車場で夜を明かした私たちは、次なる目的地の宮崎県の内陸部に位置する椎葉村(しいばそん)へ向かって出発しました。

椎葉村は温泉なども特に無い山奥の小さな村です。そんな温泉もないような場所に何の用があるかといいますと、椎葉村は誰が呼んだか日本の三大秘境の一つに数えられており、他の二つの岐阜の白川郷、徳島県の祖谷(いや)はすでに訪問済みなので、これで三大秘境全部コンプリートですよ。

球磨焼酎の蔵元が密集する多良木町

住宅街の中に時折農地が点在する平坦な道をしばらく進むと、茶色い一升瓶のような形の飾りが付いた街灯が立ち並ぶ通りに出ました。

変わった形の飾りがついた街灯

写真ぼやけて分かりづらいですが、飾りには「多良木」と書かれていて、この辺りが多良木という地名で、瓶の形の装飾は数多くの球磨焼酎の蔵元が所在していることを示しています。くりぃむしちゅーがCMに出演している「しろ」の蔵元、高橋酒造なんかもここ多良木町に工場を構えるメーカーだそうな。

球磨焼酎の一升瓶を模した街灯

ブルートレインがホテルになった?!ブルートレインたらぎ

通り沿いに、多良木駅こっちという看板が出てきました。多良木駅というと、今回の旅に出発する少し前に、BSの旅番組でちょうど紹介されていたのですが、駅前にブルートレインの車両が保存されていて、「ブルートレインたらぎ」という名前のホテルとして使われているそう。鉄道は二人ともそんなに興味無いのですが、近くまで来た記念に立ち寄ってみることにしました。

多良木駅

国道から看板の矢印にそって駅の方に道を逸れ、くま川鉄道湯前線の線路をまたぐと、近年新しく改装されたような感じのモダンな駅舎の線路を挟んだ斜向かいに、二両編成の青い列車が展示されていました。

ブルートレインは線路と同じ高さに盛られた土台の上に置かれていて、遠くから一見すると展示物というよりまるで今まさにホームに停車している車両のように見えます。

寝台特急はやぶさの車両を再利用したホテル

内部は宿泊客以外でも入ることができますが、現在朝の7時ということでまだ寝ているお客さんもおられることから、見ることができたのはカフェスペースのみ。

B寝台がカフェスペースになっている

カフェは広々していますが、メニューはコーヒーのみでした。せっかくなので朝食でもと思ったのですが、フードメニューは無いようなのでモーニングコーヒーを一杯飲んで早々に出発しましょう。

広々したラウンジだがメニューは少ない

駅の反対側には、えびすの湯と看板を掲げる公共施設のような建物。列車の車両に泊まれる施設は多良木以外にも各地にありますが、向かいに温泉まで付いてるとはなかなか良く出来ています。

日帰り温泉「えびすの湯」

日中は大噴水が見られる(らしい)市房ダム

ブルートレインたらぎを後に、さらに東へ進みます。

椎葉村まで20キロほどの場所まで来ました。ここまで多くが住宅街で占められていた沿道の景色は、農地と林の割合が増え始めましたが、進行方向に重なりあう九州山地の稜線の他には秘境があるような雰囲気は感じられません。そういえば、以前に訪問した白川郷も今となっては住宅街に囲まれた観光地で、椎葉村もひょっとしたら期待してたような凄い場所ではないのかもな…

もうすぐ秘境とは思えないのどかな風景が広がる湯前

山に囲まれた九州の内陸には多く見られるループ橋が山の上まで掛かっているのが見えてきました。人間の居住区はどうやらここまでのようで、ループ橋をグルグルと越えしばらく進むと、ようやく秘境の近くらしくダムの湖畔に出ました。

九州の内陸に多く見られるループ橋

ダムは市房湖という名前で、国道沿いにある大きな駐車場の前には「大噴水」と書かれた看板が立っています。

市房湖(市房ダム)

駐車場に車を停めて、大噴水を見に行ってみることに。

ダムに架かる変わった形の吊橋

駐車場の脇には対岸に渡る変わった形の橋が架かっていました。

噴水は日中のみのイベントなのか、ダムの湖面は鏡のように静まり返り、たまに地元の軽トラが脇の道を通過する他は人影もほとんどありません。広大なダムの駐車場には一台だけバイクが停まっていましたが、持ち主の姿は見えませんでした。

湯山温泉には、全国的にも珍しい強アルカリ泉の日帰り温泉が!

特に見るものもないので市房湖を後にししばらく進むと、「ようこそ 湯山温泉郷へ」と書かれた洒落た木製の大きな看板が現れました。

湯山温泉郷に到着

湯山温泉郷は、昨夜宿探しをした時に少し調べたのですが、民宿規模の小さな温泉宿が密集する温泉地で、温泉街の中には公共の日帰り温泉もあるとのことです。さっき人吉で銭湯に入ったところですが、昨夜車中泊で熟睡できなかった頭をもう一度シャキッとさせるべく、日帰り温泉施設「元湯」に立ち寄っていくことにしました。

湯山温泉は、事前に調べた時の印象だと小さな宿しか無いしょぼくれた温泉地のような感じがしていたのですが、実際は立派な石畳で舗装された車道沿いに、品のいい和風の旅館が点在するとっても雰囲気のいい温泉地。意外や意外、もしまたこの辺に来る機会があったらぜひ宿をとってみたいですね、湯山温泉。

湯山温泉の美しい町並み
湯山温泉の統一感のある建物

元湯は国道から奥まった温泉街の外れの高台にありました。しかし・・・

湯山温泉の日帰り温泉「元湯」

あっちゃ~!!この時朝8時。営業開始は朝10時からとのことで、あと二時間もあります。残念、早く出発し過ぎたのが災いしてしまいました。

元湯の営業時間は朝10時から

仕方がないので湯山温泉を後にします。ちなみに湯山温泉元湯の泉質は、全国的にも珍しいPH9.8の強アルカリ泉だったそうです。凄い!美人の湯というか、皮膚が溶けるレベル。聞いたことないわ、そんなPH…う〜、入ってみたかったなぁ。

日本三大秘境「椎葉村」へのアクセスルートは林道のような国道のみ

湯山温泉から先の国道は、程なくして林道のような荒れた細い道に変わっていました。高度を上げるにつれ、雲の中に入ったのか辺りは濃い霧に包まれてきました。対向車はほとんどありません。すごいな、これが国道なんて。

椎葉村へ向かう国道

そうこうするうち、峠を超えたのか一気に霧が晴れ青空が見え始めると同時に、「宮崎県 椎葉村」のカントリーサインが通り沿いに現れました。

椎葉村の村境を超える

確かにすごい山の中だけど、峠自体はそれほど険しくないんだな。

そんなことを思ったのも束の間、椎葉村は村自体がめちゃくちゃ広くて、村役場などがある中心部までは県境からさらに10キロほど山道を越えなければなりません。

椎葉村はめちゃくちゃ広いから、村境から中心部まで10キロぐらいある

椎葉村に入ってから約30分、気が付くとこんな高いところまで来ていました。しかし、村に入ってすぐのところに小さな集落があった以外、人の営みが全く感じられないのが凄い…

気が付くとこんな高いところまで…

ようやく通り沿いに人家が現れました。しかし山の中はやはり住むに適した場所が少ないのか、国道沿いの小さな土地に、ギュウギュウに密集して数軒の古びた2階建ての住宅が建っていたかと思うと、そこから先にはまたしばらく何もない山道が続きます。

「あそこに住んでる人って何して生活してるんだろう?」そんなことを考えながら、前方に現れたトンネルを抜けると、突然村が始まっていました。

トンネルを抜けると突然村が始まる

林道のようだった国道は再び二車線の立派な道へと変わり、片側に谷川、その反対にそそり立つ急な山の斜面には、秘境には似つかわしくない立派な鉄筋の集合住宅が山の斜面に沿って何軒か建っていました。

しばらく進むと、「←鶴富屋敷 民俗芸能博物館」と書かれた看板があり、矢印に従って国道を逸れるとそこはここまでの国道沿いの住宅街とは明らかに違う開けた場所でした。

椎葉村の中心部に到着

何しろ路面が違う。ブロックのような洒落た舗装を施された通りを進むと、駐車場とその脇にカラフルなパラソルとテントが立っていました。何やら今日は村のイベントが催される日らしい。

さらに進むと、こじんまりとした街の中心部にはシックな和風建築で統一されたムード満点の町並みが広がっていました。何もなかったらどうしよう?と少し不安でしたが、椎葉村ってこんなに立派な観光地だったのか。ガソリンスタンドまであるし。

美しい町並みの椎葉村の中心部

村の中の道は入り組んでいているので、車を村の入口の駐車場に停めて歩いて回ることにしました。

椎葉村を散策

椎葉村の蕎麦はコシが強い絶品!!来たら一度食べてみて!

手打ちそばの暖簾を掲げるこちらのお店。まだ朝10時ですが、店の前にいた店の人に声をかけるともう蕎麦の準備ができているそうなので、ようやくここで朝食にありつくことができました。

トーフのカリント本舗

店名は、え〜っと?トーフのカリント本舗?で、結局何屋さんなんでしょうか。店内に入ってみると、中は半分が土産物屋で半分にテーブルが数脚置かれており、そちらで蕎麦を食べることができるようになっていました。

土産物屋の片隅に積まれた、椎葉産 竹の子。身の層を剥いで乾燥させた物の様なんですが、どんな料理にどの様に調理して使うんでしょうか。非常に気になります…

椎葉産

土産物をあれこれ物色するうち、注文した蕎麦が出来上がって来ました。うどん文化のイメージが強い九州でしたが、トーフのカリント本舗の蕎麦は太麺ながらコシのある細引きのそば粉を用いた、とても弾力のある麺です。

ですが、プニプニの喉越し重視の更科蕎麦のような麺ではなく、ちゃんと蕎麦の風味の感じられる田舎蕎麦の要素もあり、何だこの最高すぎる蕎麦は・・・まさかここで、こんなに美味しい蕎麦に出会えるとは思ってもみませんでした。

そういや、店の前に平家の蝶紋が飾られていましたが、日本各地の秘境と呼ばれる場所には必ずと言っていいほど平家の落人伝説があり、ご多分に漏れず椎葉村も平家の落人伝説の残る地域のようです。トーフのカリント本舗の蕎麦の麺は、上品な細挽きのそば粉で打った田舎風の素朴な太麺が、まさに平家の落人という感じがしました。


蕎麦屋の女将さんによると、今日は村のお祭りなんだそうです。そういや、駐車場のところで和太鼓の練習してたしやっぱりな。女将さんは私達がお祭り狙って来たと思っているようで、「今日はどこの宿に泊まるの?」とおっしゃるんで、村には泊まって行かないことを告げると「そう・・・ここは温泉がないからねぇ」と、少し寂しそうな表情をされました。

ヤバい、バレてる。

椎葉村の起源、鶴富姫を祀った「鶴富屋敷」

食後は村の史跡「鶴富屋敷」を見学していくことにしました。

鶴富屋敷の石段

石段を登った先にある立派な旧家が鶴富屋敷。見学は大人200円で、ボランティアによるガイド付きです。私達が訪れた時には、古民家とセットで絵になるようなおばぁさんが説明をして下さいました。それによると…

鶴富屋敷

鶴富屋敷の名前は、敷地内に祀られている鶴富姫に由来します。

椎葉村は平家の落人が暮らす里でしたが、そのことが源氏に知れ「扇の的射」で有名な那須与一に討伐の命が下されました。しかし与一はその時病の床にあり、代わりに弟の大八郎が椎葉村へと赴くこととなったのです。

しかし椎葉村に到着した大八郎が目にしたのは、凋落し衰微した平家一族の姿でした。貴族のような生活を送っていた平家の人々は、農作物を育てたり漁をしたりといった田舎で自活する方法が全く分からず困窮しており、不憫に思った大八郎は平家に田畑を耕したりといった方法を教えているうちに、平清盛の末裔である鶴富姫と恋仲になります。そして姫は、大八郎の子供を身ごもりました。

しかし、当然こんな生活が長く続く筈はなく、待てど暮らせど戻って来ない大八郎に、鎌倉幕府から帰還の命が下されました。悲しみに暮れる鶴富姫に、大八郎は「その方の懐妊に我が覚えあり、男子ならば本国下野に寄越すべし、女子ならば遣わすに及ばず宜敷く取り計らうものなり」と告げます。

結局、鶴富姫が産んだのは女の子だったので、その子が長じると婿を取り「那須下野守」と名乗らせこの地を支配しました。

何というモヤモヤする伝説!!「女子ならば遣わすに及ばず、よろしくやってちょ」って。まぁでも、平家の落人が「那須下野守」を名乗っていたというのが、面白いエピソードではあります。

建物内部は、座敷には上がれませんが土間から見学することもできます。

鶴富屋敷仏間?
鶴富屋敷居間

鶴富屋敷の敷地内には小さな旅館があり、経営しているのは何と鶴富姫のご子孫だそう。

鶴富姫の末裔が営む民宿

旅館の裏に鶴富姫の墓所があります。

鶴富姫墓所

男はいつも待たせるだけで~、女はいつも待ちくたびれて~♪

民謡が充実の民俗芸能博物館

鶴富屋敷の隣には、立派な郷土資料館があって、鶴富屋敷の料金とセットで見学することができます。

椎葉村民俗芸能博物館

内部の写真はありませんが、村に残っている民謡や季節の催しの衣装やら飾りなんかが非常に分かりやすく展示してある素晴らしい施設でした。特に専用のプレイヤーで聞くことができる椎葉村特有の田植え唄などの労働歌や祝い唄なんかは、CDでも売ってりゃ買ったのになというぐらいのボリュームで、音楽が好きな人にもかなりオススメな施設です。

博物館の裏には立派な土俵と、大八郎が建立したと言い伝えられている椎葉厳島神社があります。この日は睡眠不足で神社の方まで行く元気がありませんでしたが、またこのあたりに来る機会があればぜひ、博物館と共に落ち着いて厳島神社の方も拝観したいと思いました。

椎葉厳島神社と土俵

村の入口の広場で行われていた和太鼓のパフォーマンスを見学した後、椎葉村を後にしました。蕎麦屋のおばちゃんが言ってたように、温泉が無いというのは私たちにはどうしても最終目的地にはしづらい場所ではあるのですが、美しい町並みと文化を大切に生活する姿がとても印象的な村でした。

ではこれから、阿蘇方面を目指し国道を北へ向かいます。人吉方面からのアクセスは、秘境の名に違わぬハードな峠越えルートでしたが、逆の方のルートはもう少しマシなのかな?と思いきや、交通量が多いだけで大して変わらない悪路でした。

椎葉村から阿蘇へ

ようやく道が開け、平地が見えてきてホッと一息。次なる目的地は、白川水源です。

阿蘇の白川水源を目指す

・・・つづく

椎葉村 鶴富屋敷へのアクセス

住所:宮崎県東臼杵郡椎葉村上椎葉

Tel:0982-67-3139

URL:http://www.shiibakanko.jp/ss_index.php?act=dt&gid=1

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