新ブログ「べっぷ移住物語」

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神奈川県東部特有のラジウム泉とは?〜綱島温泉〜

2015/09/05

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綱島ラジウム温泉 東京園は2015年5月下旬から休業しています

芸術鑑賞に温泉を絡めるシリーズ第二弾。今回は、渋谷にあるBunkamuraに行き、その後横浜市港北区にある綱島温泉に行く計画です。

本来は、この三連休中にもうちょっと遠出するつもりだったのですが、突然ツレが出張から戻ってきてしまったので、結局どこにも行かず家でゴロゴロしていました。

連休最終日のお昼頃に、ツレは再び出張先に帰って行き、まぁこれはこれでいい休養になったけど、すっかり予定が狂ってしまったな。

白隠作:大分県・萬壽寺蔵《半身達磨》

東京在住十数年にして、未だに苦手な渋谷駅

千代田線に揺られ、表参道駅から半蔵門線(または銀座線)に乗り換えて、一駅で渋谷に到着です。はぁー、渋谷なんかめちゃくちゃ久しぶりだなぁ。それにしても、相変わらず人が多い。

渋谷のランドマークの一つである、109に到着。

109の右側が文化村通り

Bunkamuraは東急文化村として発足した、劇場やシアター、美術館等が入った複合型文化施設です。運営はその名の通り、東急百貨店を持つ東急グループ。

渋谷駅前には東急と名の付く建物はたくさんあるのですが、上の画像の109かニュース番組などでもよく映る東急東横店が有名です。

東急東横店

しかしBunkamuraは、109の建物からさらに数百メートル奥にある東急本店の隣の建物で、駅からは少し離れています。

文化村通り

ただでさえ迷路のような渋谷駅とその周辺は、土地勘のない者にとってはまるでダンジョン。文化村まで辿り着くのがまず大冒険です。

迷わずどうにか辿り着くことはできました。すでに疲れた…

白隠展入り口

連休中とあって中は大混雑。それにしても展覧会っていうのは、作品からのパワーにあてられるのか、普通にぶらぶら散歩したりするのに比べて、圧倒的に疲れやすくなる気がします。一日に何本も周る人って、凄い体力だよなぁ。

一時間ほどかけて鑑賞し、ちょっと休憩しようと文化村を後にし、適当にマックかドトールでもとあたりをうろつくも、全然どこにも見つからないのは何故…

あーー!もう人間見たくないっ!!というわけで、次なる目的地の綱島温泉に向かうため、東急東横線のホームへ急ぎます。東横線も利用するのはかなり久しぶり。路線図を見ると、綱島駅には特急以外なら全て停車するようなので、ちょうど入ってきた元町中華街行き快速に乗り込みました。

東横線渋谷駅

渋谷から20分の場所にあるラジウム温泉とは?

渋谷から約20分で、綱島駅に到着。駅前はこんな感じです。

綱島駅前

居酒屋などの飲食店やパチンコ屋などが密集するせまい路地に、タクシーやバスが道を塞ぐようにあちこちに停車しています。

地図を見ると、綱島温泉は綱島街道沿いにあるようで、駅の東口からまっすぐ歩いていくと、ものの50メートルほどでそれらしい建物が現れました。

綱島ラジウム温泉

先程から私が「綱島温泉」と繰り返し書いていますが、今回の目的地はこの温泉施設。建物の入り口には「綱島ラジウム温泉 東京園」と書かれています。

渋谷から一本とはいえ、なぜにわざわざ横浜の日帰り温泉に私が目を付けたのかというと、このラジウム温泉という泉質に惹かれたからでした。

東京近郊には珍しいラジウム泉

東京とその近郊には、意外に温泉はたくさんあるのですが、火山から遠く離れた土地柄、それらの泉質の多くは化石海水を主成分としたナトリウム塩泉や、化石植物が地下水に染み出したモール泉・別名黒湯など、種類が非常に限られています。

先週行った埼玉県久喜市の百観音温泉はナトリウム塩泉、その前に行った北品川温泉天神の湯は黒湯と、ツレが出張に出てから東京近郊にありがちな泉質の温泉ばかりが続いていたので、まーそれもそれでいいんですが、いまいち「近場」という感じが抜けないので、たまには違う泉質の温泉にも入って見たいなぁ。

ガラス扉から中を覗いてみると、木の鍵が付いた昔ながらの銭湯の下駄箱が並んでいますが、なぜかその片隅に、総菜やちょっとした乾物を売る棚が設置されていて、まるで自炊部のある湯治宿のようになっています。

綱島ラジウム温泉玄関

玄関の脇に受付があり、そこで入浴料1000円を払うのですが、この施設は夜の9時までの営業のため、夕方四時以降の入館なら普通の銭湯と同じ450円。

お金を支払い中に入ると、そこには見たこともない独特な世界が広がっていました。玄関から浴室前までの通路は、庭に面した方が座敷になっていて、日帰り温泉の休憩室によくある長机がたくさん並べられています。これだけでもかなり沢山の人数分あるのですが、休憩室はさらに奥に続いていて、ガラス張りの扉の奥はカラオケステージがあって、お年寄りの歌声が館内に響きわたっていました。

しかもこの建物、古ぼけていながら、壁の色などは異様なほどにサイケデリック!なんじゃこりゃ?しかも二階もあって、二階にもカラオケが二台あるとのこと。

出発前にこの施設を調べていた段階で、ホームページにも夕方から料金が安くなることは書かれていたので、そこから察するにどうもただの温泉銭湯ではないらしいことは何となく分かったのですが、ずいぶん不思議な建物だなぁ・・・

綱島ラジウム温泉の浴室は、まるでモダンアートのような不思議な空間だった!

通路を抜け、女湯の暖簾をくぐると、脱衣所は極普通の古めかしい銭湯と変わらず。早速服を脱いで浴室に入ると、中は普通の銭湯に比べて建物が大きい分やはりめちゃくちゃ広かったのですが、それ以上に目を惹いたのは、今までに見た雰囲気のいい温泉銭湯のそれとは一線を画す湯船や浴室の壁などのデザインでした。

確実にモンドリアン・コンポジションの影響を多大にうけているであろう、カラフルかつ幾何学的なデザイン!イヴ・サンローランなどを代表する、アパレルのデザインとしても繰り返しリバイバルされてるアレ!ですよ。えぇ。

モンドリアン/ブロードウェイ・ブギウギ
モンドリアンルック

しかも湯船は円形というか前方後円墳のような鍵穴のような不思議な形をしていて、それが広い浴室のど真ん中にドーーン!!これはちょっと口で説明しても分からないだろうなぁ〜。

浴室や建物の内装で、こういうデザインが流行った時代があったんでしょうか?知らないけど。古いグランドホテル系の大浴場で、探せばありそうな気はしないでもないですが。熱海あたりで、『ニュー○○屋』みたいなネーミングのとことか。

昔ながらの瓦屋根の純和風銭湯より、こういう中途半端にモダンな建物のほうが、今はむしろ貴重かもしれないとすら感じます。

どんなに手入れしても、人が来なくなったモダン建築というのは形容しがたい異様な空気を醸し出すものですが、ここはとても微妙なバランスの上でうまくやっている施設だと思いました。

あ、もちろん清潔感やそういう最低限のレベルはもちろんクリアした上の話ね。

綱島温泉のラジウム泉は黒湯だった!?

いやしかし、なんか面白いとこ来ちゃったな〜。早速洗い場で体を洗い、ではでは綱島温泉のラジウム泉とやらは如何に?

って、これ黒湯やんか!紛うことなきコーヒー色の液体が、前方後円墳型の湯船になみなみと注がれています。え〜・・・

しかし、よくよく考えてみればラジウムと言うと、ウラン等と同じ放射性物質。硫黄泉や含鉄泉のように、それ自体に色や匂い等の特徴がある訳ではありません。

そもそもラジウム泉って??

ラジウムとは、ウランがエネルギーを放出しながら崩壊していく過程でできる物質なのですが、ラジウムがさらに崩壊したものをラドンといいます。 高濃度のラドンを含む地層を通った地下水はラドンを含んだ温泉水となり、ある一定量以上のラドンを含む温泉を法律で「放射能泉」、 そして放射能泉は一般的にラドン温泉またはラジウム温泉と呼ばれます。

なので、綱島ラジウム温泉のお湯は、見た目はただのモール泉でも、ラドンを含む地層を通ってラドンを多量に含んでいる、という可能性もあります。う〜ん、こればっかりは見た目じゃ判断出来んしなー。

広大な浴室と洗い場はほぼ満員で、次から次にお客さんが入ってきます。不思議な施設だけど、物心付いた時から近所にこんなのがあったら、まぁこれが普通って思うわなぁ〜


風呂上がり、休憩所で缶チューハイを一杯。休憩所には奥に厨房があって、軽食やスナック菓子の販売もされています。片隅にはお酒の自販機も。

今時の禁煙・分煙の風潮なんざどこ吹く風、座敷ではみなさん心置きなくフツーにタバコ吸って酒も飲んで、食べ物も持ち込みOKなので、なんかホントに湯治宿で寛いでるお年寄りグループみたいでした(笑)だから玄関にあれこれ食材置いてあったんだな。食べ物等は持ち込み自由なので、お茶請けにあれこれ持ち寄って、一日中ここでこうしてダベってるのでしょう。

人間関係が希薄と言われる今、こういう場所はむしろ必要な場所なのかもしれません。

自販機でお酒を買っている酔っぱらい男性が、「カラオケを歌うのに小銭が必要だから〜」と何故か近くにいた私に言い訳がましいことを言って来ましたが、今時まだコイン式のカラオケなんてあるのね。ひょっとして、まだカセットテープだったりして。まさかそりゃないか?

カラオケがある奥の座敷は、何となく地元の人しか立ち入れなさそうな空気を醸し出していたので近寄りませんでした。

もっと呑みたいのは山々だったのですが、うちまでの道のりを考えると、ここで酔っぱらうほど呑んでも何だなぁ〜ということで、缶チューハイ一本で帰ることに。

神奈川県東部特有の『ラジウム温泉』表記

帰りの電車の中で色々調べていると、このようなサイトを見つけました。

川崎市内の温泉

要約すると、キュリー夫妻がラジウムを発見したのと同時期に綱島温泉の開発が始まり、耳慣れないラジウムという言葉の響きに非常に効能がありそうなイメージがあったのか、当時の温泉分析書にあった「ラジウムエマナチオンの測定値」という項目から、神奈川県東部では温泉名にはラジウムという名前が多用されるようになった、ということのようです。今ではラジウム泉(放射能泉)の基準は満たしてはおらず、しかし名前だけは昔のまま存続しているので紛らわしいと。内容的には東京の黒湯と全く同じ温泉が、神奈川県東部ではラジウム泉という名前で存続している例は、けっこうよくある、ということだそうです。

綱島温泉一帯は、新幹線が開通する前までは80軒もの宿が建ち並ぶ温泉街だったそうです。ここ綱島ラジウム温泉が、開発当初から存続している温泉なのかどうかは調べていませんが、やっぱりというか、今回わざわざ横浜まで来た割りに、ここも東京と同じ黒湯でした。

しかし、建物や雰囲気がとっても面白い公共浴場だったので、関東近郊の黒湯銭湯がお好きならば、絶対外せない温泉だと思いました。

綱島ラジウム温泉、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

綱島ラジウム温泉 へのアクセス

住所:横浜市港北区綱島1-8-11

Tel:045-531-0003

URL:http://www.tsunashima.com/shops/tokyoen/index.html

綱島ラジウム温泉 東京園は2015年5月下旬から休業しています

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