新ブログ「べっぷ移住物語」

鳥取県

目指せ馬の背!「鳥取砂丘」の肋骨側と、ラブストーリー発祥の地「白兎海岸」

2016/06/11

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夜行バスで岡山県の津山駅前に到着した私は、ツレと落ちあい車で三朝温泉に立ち寄った後、鳥取砂丘に向かい車を走らせています。

赤い石州瓦の屋根はは海外の町並みのよう

投入堂を過ぎ、三徳山のつづら折りの連続する峠を超えて鳥取県側の平地にたどり着くと、赤瓦の民家が山陰らしい風景を沿道に展開していました。

さらに海沿いに出ると、日本海に沿って走る国道9号線(山陰道)を東へ向かって進みます。

海沿いを走る山陰道

日本海側はこの日は若干風が強く、巻き上げられた海岸の砂が国道にまで漂い視界はぼんやり黄色がかって見えます。

因幡(いなば)の白ウサギの舞台「白兎(はくと)海岸」

白兎海岸付近に差し掛かると、通り沿いに「道の駅神話の里白うさぎ」と書かれた大きな看板が建っていました。数ヶ月の間、海から遠く離れた内陸の津山市に出張していたツレが今回の旅で最も楽しみにしていたのが、日本海の海産物です。この先食事ができそうな店があるかどうかも不安だったので、今日のランチは道の駅でちょっと豪華に海鮮丼でも食べようかと思います。

道の駅「神話の里白うさぎ」

道の駅の建物は、神話時代の神殿を模した2階建てで、1階の入り口を入ってすぐの場所が観光案内のスペースになっており、奥にお土産物売り場とラーメン屋、2階に海鮮レストランがあります。

道の駅神話の里白うさぎの駅長「みこと」

1階の観光案内のスペースの片隅には、小さな名誉駅長の駅長室が。

道の駅神話の里白うさぎのかわいい駅長室

駅長の「命(みこと)」はお昼寝中でした。子うさぎのような体つきですがもう7歳、けっこう高齢ですね。そのため、一日の大半をこの駅長室で寝て過ごしています。

1階のラーメン屋では「わにらーめん」というオリジナルのラーメンが販売されていました。

白兎海岸はその名からも察しはつきますが、日本人なら誰もが知る昔話因幡の白ウサギの舞台になったとされる場所で、このラーメンは因幡の白ウサギの話に出てくる「ワニ」にちなんだ商品です。言わずもがなですがここで言うワニとはサメのことで、わにらーめんには何と、具材にフカヒレが入っています。

フカヒレ入りで500円はかなり安い気がしましたが、ツレはこの日は海鮮の気分なんだそうです。

道の駅2階の海鮮レストラン「おさかなダイニング ぎんりん亭 」

2階の海鮮レストランは大きな生簀があるモダンな造りのお店で、メニューは若干少なめですが海が見える席もあってなかなかいい雰囲気。

大盛りマグロ丼と、三種類の海鮮が乗ったうさぎの三段跳び丼を注文。両方値段の割に盛りもよく、久々の新鮮な海の幸に大満足でした。

大盛りマグロ丼
三種のお刺身が乗った「うさぎの三段跳び丼」
道の駅神話の里白うさぎ「ぎんりん亭」

道の駅の向かいは白兎海水浴場

道の駅神話の里白うさぎは白兎海岸のすぐ前にありますが、海に行くには国道を越えねばなりません。道の駅の2階にあるレストランからは、海沿いに渡る陸橋の上に直接出ることができます。

夏場この辺りの浜辺は海水浴場になりますが、砂浜は波が荒いせいか波打ち際から急激に深くなっていてとても泳げる気がしません。夏場はもっと穏やかになっているのでしょうか。

白兎海水浴場
波打ち際から急激に深くなる浜辺

自称「ラブストーリーの元祖」白兎海岸の因幡の白ウサギ

駐車場まで引き返してきました。駐車場の入口には、因幡の白ウサギのお話の中でうさぎを助けた大国主命(おおくにぬしのみこと)という神様と白ウサギの石像が立っています。

因幡の白ウサギの像

その脇には、唐突にファッションデザイナー桂由美さん直筆の碑が。何で桂由美やねん。しかも「恋人の聖地」とは?

因幡の白ウサギの像と並んで立つ桂由美の碑

その理由は、白兎海岸は何と日本のラブストーリー発祥の地を主張しており、ラブストーリー→→→結婚式、というえらい飛躍した繋がりでブライダルデザイナーとして有名な桂由美さんに一筆お願いしますってことになったようです。

知ってるようで知らない、因幡の白ウサギの物語は日本初のラブストーリーらしい??

ラブストーリーに元祖もクソもあるかいという感じもしますが、気になるのは日本初のラブストーリーというのが件の因幡の白ウサギだということ。え?ラブストーリー要素なんてあの話にあったっけ?

因幡の白ウサギの話は、狡猾なウサギが自らの詰めの甘さによってサメに皮を剥がれてひどい目に合う、という因果応報的な部分ばかりが印象に残りがちですが、おそらくこの話は金太郎や一寸法師と同様に「有名な割にオチがあまり知られていないお話」の一つなのではないかと思います。

実は因幡の白ウサギは古事記の中のエピソードの一つで、大国主命が国内を平定する前振りにあたる非常に重要な場面です。

手持ちの古事記を現代文に訳した本によると・・・

大国主命はスサノオノミコトの子供で、80人もの兄弟がいました。兄弟たちは全員、因幡国(今の鳥取県鳥取市の辺り)の八上比売(やかみひめ)を妻にしたいと考えていたので、全員連れ立って住まいの出雲国から因幡国に向かって旅に出ることになったのですが、大国主命は性格が穏やかだったことから他の兄弟達からナメられていて、全員分の旅行の荷物を全て一人で持たされた挙句、兄たちに置いて行かれてしまいました。

ここから後は有名なくだりなので省略しますが、兄たちに騙されて傷が悪化し苦しんでいたうさぎに、正しい怪我の治療法を教えた大国主命は、うさぎから「あなたのご兄弟の神々は決して八上比売を妻とすることはできないでしょう。貴方様は、そんな袋なんか背負って賤しい従者のような身なりをされていますが、比売の心を射止めるのは必ず貴方様です」という予言を受けます。

道の駅神話の里白うさぎHPより

因幡国に到着し予言通り八上比売に見初められた大国主命は、他の兄弟の嫉妬によって死にそうな目に何度も合わされますが、度重なるピンチを上手く乗り切り、最終的に兄弟たちを平定して出雲の主になります。

これが日本最古のラブストーリーだと言うんですが、確かに男版シンデレラっぽいストーリーではあるものの、ラブストーリーと呼ぶにはちょっと無理がある上に、大国主命と八上比売はこの後ハッピーエンドで結ばれるわけではありません。

優しいけれど優柔不断、女にモテすぎる大国主命と八上比売の運命は……

大国主命は八上比売と結婚の約束を交わした後、兄弟からの攻撃から逃れるため一人で黄泉の国に住む父スサノオノミコトの下に身を隠しますが、その際大国主命はスサノオノミコトの娘で異母兄妹にあたるスセリヒメからも一目惚れされてしまったため、父親からも反感を買ってここでもまた命を狙われる羽目になります。

スサノオノミコトは、ヤマタノオロチ退治などで知られる豪腕の人物。女の子にモテモテで、うさぎに優しくしちゃったりするタイプの大国主命みたいなヤサ男は生理的に合わなかったんでしょうか。他の兄弟たちから大国主命だけが浮いていたのも、他の兄弟達も皆父親似の気の荒い力自慢の男たちばかりだったからなのかもしれません。

大国主命はものすごい美男子だったそうで、どこへ行ってもとにかく女にモテまくります。しかし優しい反面女性に対しては優柔不断なところもあり、大国主命は八上比売という許嫁がありながらスセリヒメとも恋仲になって、スセリヒメを連れて黄泉の国を脱出します。怒って二人の後を追ってきたスサノオノミコトは、あの世とこの世の境にあるという黄泉平坂で大国主命に向かってこう叫びました。

「お前は私の武器を使って他の兄弟達を追い払い出雲国を治めよ、そして連れて行ったからにはスセリヒメは絶対正妻にしろ!」

そんな感じで大国主命は出雲国を統治するお墨付きと武器を手に入れますが、父親の手前八上比売よりも後で知り合ったスセリヒメを本妻にせざるをえなくなり、しかもこのスセリヒメというのがものすごいヤキモチ妬きだったため、因幡国から呼び寄せられた八上比売は本妻がおそろしく、大国主命との間に設けた子供を置いて国に帰ってしまいました。

これが大国主命と八上比売の恋の結末だそうです。ラブストーリーで推すには最悪では?結婚すりゃいいというものではないでしょう。

しかしこうして色々調べながらブログを書いていると、古事記における因幡の白ウサギのくだりは、力と武力で諸国をねじ伏せる時代から優しい政治への転換期を表現していたのかもしれません。確かに大国主命はイケメンで恋多き男だったようですが、白兎海岸はラブストーリー発祥の地というより「草食系男子発祥の地」とかのほうがしっくり来るエピソードでした。

体積の違いが圧巻の砂の丘陵地「鳥取砂丘」

道の駅神話の里白うさぎを後に、鳥取砂丘へ向かい海沿いを東へ。

鳥取砂丘への道

鳥取砂丘が近づくと、通り沿いのだだっ広い灌木の林の隙間から、広大な砂地が姿を見せ始めます。鳥取砂丘に行ったことのない人の多くが、「砂丘と砂浜って何が違うの?」という疑問をお持ちかと思いますが、実際に訪れてみると少し離れた場所からでもその違いは歴然。砂丘とは、そのままですが砂でできた丘陵地のことで、砂浜の砂がちょっと盛り上がっているようなのと比べ物にならない体積と迫力は、第一印象「わっ!デカい!!」

さらに進むと、高台に進む分岐の手前に「砂丘展望台」と書かれた看板が立っていました。えっ、砂丘と砂丘展望台どっち?よく分からなかったので、とりあえず鳥取砂丘と書かれた矢印の方に進むことにしました。

観光客で賑わう鳥取砂丘の土産物屋街

「砂の美術館」を過ぎると、大きな駐車場を併設したドライブインが立ち並ぶ土産物屋街の中にいました。観光客で賑わう通りをさらに進むと、頭上のすぐ上の手が届きそうなほどの至近距離を、リフトの椅子がフワフワと動いています。

砂丘と展望台をつなぐリフト

正直もっと寂れた何もない場所を想像していたので、突如砂漠に現れた遊園地のような光景に面食らっていると、リフトの少し先に公共駐車場への入場待ちの車が何台か列を成しているのが見えてきました。

この直後タイミングよく何台か車が出たので、待ち時間なく駐車場に入れることができましたが、休日の日中はかなり渋滞するかもしれません。

駐車場から砂丘入り口に続くウッドデッキを歩いて行くと、階段を上った先に広がる「第二砂丘列」。あまりの巨大さに距離感がおかしくなりそうですが、ゴマ粒のような人の大きさから丘までの距離は何となく察しはつきます。

「え~、歩くの?」とツレ。私も歩くのは嫌いなのですが、せっかく来たんだしと渋るツレを促し歩き出すと、砂丘入り口のすぐ脇をらくだが歩いているのが見えました。駐車場の前辺りにあった「らくだや」という土産物屋の前に「らくだ写真引換所」と書かれた看板が立っていましたが、このらくだはらくだやで飼われているのでしょうか。

遊覧らくだ

遊覧らくだは休日は子供だけ

ツレが乗りたいと言うので順番待ちの列に並びに行ってみると、受付の看板には「誠に申し訳ありませんが”本日”のらくだ遊覧はお子様のみとさせて頂きます」とあります。

らくだ乗り場

この書き方だと、もっと暇な時期は大人も乗らせて貰えるのかもしれませんが、この日は大人は記念撮影のみ。ツレ的には写真はあんまり興味が無いようなので、今回はラクダは諦めることにしました。

休日のらくだ遊覧は子供のみ

砂丘見学の際、展望台リフトに先に乗っておくのがオススメな訳

らくだ乗り場のそばにはリフト乗り場があります。おそらくさきほどの分岐に書かれていた「砂丘展望台」に行けるんだと思いますが、ツレはよほど砂丘まで歩くのが嫌なのか、先に展望台の方に登ろうと言い出しました。

砂丘展望台行きのリフト

料金は大人往復300円。意外と安いです。リフト乗り場の中に入ると、片方の壁一面大きな下駄箱になっていて、様々なサイズのゴム長がぎっしりならんでいます。

リフト乗り場で長靴が無料レンタルできる!

へぇ~、外からは長靴のレンタルがあるなんてどこにも書いていませんでしたが、このゴム長レンタルは無料で、リフトを利用する客限定のサービスのようです。ただし履いてきた靴を預けるコインロッカーは有料なので、靴を入れるコンビニ袋などを持参することをオススメします。

リフトは二人乗り

リフトは二人乗りです。出発するとすぐ、先ほどの土産物屋街の上を通過します。車がビュンビュン通るような道ではありませんが、それでも交通量はそこそこある車道の上を跨いでリフトが運行してるって、意外とありそうで無いよなぁ……とか考えてるうちに、あっという間に展望台に到着。料金が安い分距離も大したことないです。

展望台駅に到着

リフトを降りると、強制的に1階の食堂兼土産物売り場に誘導されます。土産物屋では鳥取砂丘名物のらっきょうや砂丘の砂を使った砂時計などの民芸品が売られており、食堂は大きな窓から眼下の日本海と砂丘がよく見えます。

砂丘展望台の食堂。海が見えて景色がいい

この日はさっき食事を食べたばかりなので食堂はスルーし、展望台へ。展望台は2階と3階で、階段は土産物屋フロアを出た建物の裏手にあります。

展望台は2階と3階

2階には異様にだだっ広い展望デッキがあり、眼前には日本海と砂丘の大パノラマが広がっています。

2階の展望デッキ

砂丘展望台の駐車場は空いていて長靴も借りられるからオススメ

下を見下ろすとリフトの先に、土産物屋街と駐車場が小さく見えました。ちなみに展望台にも駐車場がありますが、砂丘の方のよりも広くて空いているので、砂丘観光の際は展望台の方に車を停めてリフトで砂丘まで行くほうが、長靴も借りられるのでお薦めです。

眼下に広がるパノラマ

さらに上にも展望台があります。

3階にも展望台が

3階の展望室はめちゃくちゃ狭い上に古ぼけていて、アルミサッシだらけでガラスも汚れていてとても見づらいので、天気さえよければ2階の展望デッキで全然事足りると思いました。

3階の展望室は狭くて見づらい

ではでは、砂丘まで引き返すことにしましょう。

帰りのリフトに乗る前に、土産物フロアで梨ジュースに漬けたらっきょうを購入しました。鳥取砂丘は梨の産地でもあり、最も有名な品種が二十世紀梨です。私は出身が関西だったので、子供の頃は梨と言ったら鳥取の二十世紀梨というぐらいメジャーなブランドでしたが、そういえば東京では鳥取の梨も二十世紀梨もあんまり見ないなぁ。

梨味のらっきょう

梨味のらっきょうはらっきょうの臭いが苦手な人にもおすすめな、さわやかなお味でした。

鳥取砂丘、元気な人なら馬の背の肋骨側から登るのがオススメ

砂丘に帰ってきました。一見するとすぐそこにあるかのように見える砂丘ですが、豆粒のような人の大きさから思っているよりも遠くにあることは何となく想像できます。

第二砂丘列別名「馬の背」

第二砂丘列は標高は約47メートル、別名「馬の背」とも呼ばれていて、入り口から向かって右側が馬の太ももにあたるなだらかな傾斜地、そして左側は肋骨から背骨にかけてのような急斜面になっています。絶壁の前にあるのは水たまりではなく地下水がしみだしたオアシスで、夏場は無くなってしまうそうです。

観光客の足あとが無数に残る斜面

遠目から見ると馬の背の肋骨側は、まるで垂直の壁に近いような急角度に見えますが、観光客の足あとが模様のように表面を無数に穿っているので、みんな普通に登ってるし大丈夫だろうと思ったのでしたが、しかし実際登ってみるとこれまた意外にもというか、遠目から見たイメージにそぐわぬ壁のような急斜面。

馬の背の肋骨側は見た目通りの急斜面

さらに、砂丘は普通の山と違い地表に取っ掛かりが全く無く、一歩踏み出すごとに歩幅の半分ぐらいの砂が崩れて来て、なかなか進むことができません。まさに三百六十五歩のマーチ状態。

想像以上にキツい斜面をヒーヒー言いながら登っている横で、野生動物のような軽やかな足取りの子どもたちが砂の斜面を駆け上って行きます。やっぱ凄いな、子供……

最後の方は疲れて歩幅も小さくなり、崩れ落ちる砂と一緒に麓まで転がり落ちてしまうのではないかという恐怖に駆られましたが、どうにか丘の頂上に到着することができました。

砂丘の頂上に到着

よくハリウッド映画で、主人公が着の身着のまま砂漠をさまよい歩き、数日かけて目的地に到達するというようなシーンがありますが、こうして春先に小さな砂山を一つ登るだけで、映画のあのシーンは現実には絶対不可能だろうな、ということが痛感できます。

三朝温泉ではどんよりした空模様でしたが、気が付けば雲一つない快晴になっていました。砂丘の頂上から眺める海と空のパノラマは、苦労してでも見る価値はありましたが、今度来る機会があれば右側のなだらかな方からにしようと思います。

鳥取砂丘を堪能したので、これから今夜の宿を探すため車まで引き返します。駐車場のそばには足を洗うコーナーがありますが、かばんや洋服のあちこちに紛れ込んだ砂はなかなか思った以上にしぶとくて、この後一週間近くの旅の間中いろんな所から砂が出続けました。

・・・つづく

鳥取砂丘へのアクセス

住所:鳥取県鳥取市福部町湯山2164−661

Tel:0857-22-0581

URL:http://sakyu.city.tottori.tottori.jp

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