南関東では珍しい硫黄泉『七里川温泉』
2016/02/21
S秘境やT秘境のある辺りから、さらに東の山間部に入った場所に、一軒の小さな温泉宿があります。
南関東は近くに火山が無い為、温泉はほとんどが非火山性で、中でも圧倒的に多い泉質が、昔の海水が地層に閉じ込められた化石海水を主成分とする食塩泉と、海辺に生えていた葦や海藻などが化石化して地下水や雨水に溶け出したモール泉、通称『黒湯』で、南関東で温泉というと十中八九この二つのどちらかなのですが、これから向う七里川温泉の泉質は硫黄泉だそうです。
こんなとこにぽつんと一カ所だけ硫黄泉が湧いていることに、当初は信じられない気持ちでいたのですが、調べてみると房総半島南部の鴨川などにも何ヶ所か、黒湯でもナトリウム泉でもない泉質の温泉が湧いているところがあるらしいです。
へぇ、全然知らなかったなぁ。もうちょっと千葉の方にも行ってみないとな。
亀山ダムの湖畔に佇む亀山温泉。大型のホテルが何軒か建っていました。亀山温泉の泉質は、上記した南関東に多い黒湯ですが、亀山温泉ホテルのHPを見ると、ここの温泉も湧出時は硫黄の香りがするとか書かれてますね。泉質の表記はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉とありますが、成分に表記されないほど硫黄成分は微量ということでしょうか。
まったりアットホームな温泉『七里川温泉』
七里川温泉は、この亀山温泉を通過してさらに東に3キロほど進んだ場所にありました。
七里川温泉にはここ一軒しか温泉施設は無く、一見日帰り温泉のようですが、宿泊することもできます。
入り口を入ったすぐの場所には大きな囲炉裏があって、常連さんが持ち込んだ手羽先がこんがりと焼かれ良い香りが一面に充満していました。
囲炉裏の脇を通過し、奥に進むとフロントがあります。フロントにて一人800円を支払い、さらにフロントの奥に進むと階段があって、お風呂は階段を上った先にありました。
お風呂は男女別の内湯に露天風呂は二つ。露天風呂は男女週入れ替え制です
私が行った時は、広い方の露天風呂が女性用でした。
脱衣場から外に出ると、小高い丘に石段が敷かれていて、その先にはタイル張りの湯船が二つありました。
匂いは紛うことなき硫黄臭ですが、にごり湯ではなくこういう透明の硫黄泉もあるんですね。
はぁ〜、千葉でかけ流しの硫黄泉に入れるなんて思わなかったなぁ。千葉舐めてた・・・
しかし、二つある湯船はそれぞれ湯船の大きさやデザイン、湯温の差もそれほど無いようですし、源泉もおそらく同じ物だと思われるのですが、何のために二つに別けたんでしょうね?
湯船の奥には、何やらウッドデッキのようなものがありましたが、草ボーボーのまま放置されているところを見るに、ここに何か作る計画は頓挫したようです。
風呂上がり、一階の広間で休憩。子供が走り回っております。
ここで宴会などが行われたことは最近はあるのでしょうか。
広間の隣は、居酒屋のようになっていました。泊まり客の夕食はこっちで食べるのかな?いいなぁ、今日泊まりたいなぁ・・・大将、ビールともつ焼きいっちょ〜
が、しかし明日は平日、仕事もあるし今日は帰らざるをえません。いつか泊まりで来てみたいもんです。
帰る前に、玄関入ってすぐの場所にある囲炉裏で、私たちも何か焼いて食べることにしました。
焼く食材は持ち込みでもいいですがフロントでも注文することができて、壁には数え切れないぐらい沢山のメニューが貼り出されていました。
ソーセージとイカの一夜干しを注文。ところが両方共完全に凍った状態で出てきたため、焼けるのにものすごく時間がかかってしまい、風呂に入る前に注文しといた方がよかったと思いました。
おすそわけで近くにいた人から貰ったミニトマト。地元で採れた物だそうです。
まだ完熟じゃなくてちょっと固いぐらいなんだけど、青臭さが全く無くまるでフルーツみたいに甘くておいしい!普段スーパーの特売しか買わないので、トマトの持つ本来のおいしさに感動しました。千葉最高・・・
私は飲んでいいよって言われたけど、帰りに怠くなったら嫌なのでノンアルコールビールにしときました。
宿の人も常連さんもとても気さくで、故郷に帰ったようなアットホームな雰囲気の素晴らしい宿でした。一回来たら、またもう一度必ず来たくなること請け合い。お湯もいいしね。
七里川温泉を後にすると、辺りはもう黄昏に包まれていました。これから東京に帰る為木更津を目指し久留里街道を北上します。
山を下りると、そこは久留里城の城下町。
YAMAHAブロンコは二人乗りには不向きです
圏央道まではあと少し。
しかし、今回ツレが乗ってきたYAMAHAのブロンコというバイクは、普段乗っているYAMAHAのTT600に比べると一見二人乗りに適したデザインのように見えるのですが、実際は辛うじてタンデムステップだけは付いているものの、一人掛けシートにグラブバーすら無いという基本完全一人乗り設計。
普通に下道を走っている分には、狭いシートからお尻がずれ落ちても信号待ちなどで座り直したりも出来るのですが、高速に乗るとグラブバーが無いのでそうも行かず、クッションの無いリアフェンダーの上から全くお尻が移動できないまま東京まで到着。
今回は私が用事があって湘南まで電車で来ていたのを、ツレにバイクで迎えに来てもらったのですが、まさか一人乗り専用のバイクで来るとは思ってもみませんでした。おまけに持ってきたヘルメットはなぜか原付用のハーフキャップだし、この人わざと私が大変な状態になるのを見て笑いたいとしか思えないんですけど。
で、あまりのお尻の痛さと怒りで、下道に降りてから私一人電車で帰りました。最低!ブロンコとツレ!
七里川温泉へのアクセス
住所:千葉県君津市黄和田畑921-1
Tel:0439-39-3211
URL:http://shichirigawa-onsen.com/
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