新ブログ「べっぷ移住物語」

栃木県

泉質も珍しい崩壊寸前の珍湯、那須湯本「老松温泉 喜楽旅館」

2016/05/21

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脱ペーパードライバーを目指し、私の運転するレンタカーで栃木県まで来た私たちは、栃木市内にある岩下の新生姜ミュージアムを見学した後、那須塩原市の珍スポ「ピラミッド元氣温泉」に一泊し、翌朝那須高原に向かって車を走らせています。

目指すは栃木県と福島県の県境に横たわる那須連山の最高峰、茶臼岳です。

茶臼岳周辺は栃木県きっての温泉天国で、板室温泉、新那須温泉、那須湯本温泉、高雄温泉、八幡温泉、北温泉、弁天温泉、大丸温泉、甲子温泉などなど、普通に車で行ける温泉地だけでもこれだけたくさんあるのですが、今回目指すのは茶臼岳周辺では最も標高の高い大丸温泉です。

大丸温泉は茶臼岳の登山口近くに位置し、中~小規模の民宿や温泉旅館が何軒か存在しますが、その中で最も有名な宿はやはり、大丸温泉の地名を冠する大丸温泉旅館でしょう。

大丸温泉旅館は日本秘湯を守る会会員で、乃木将軍が毎年湯治に訪れていたという大変由緒ある温泉旅館です。趣ある建物や、広大な浴露天風呂が人気。

http://www.omaru.co.jp/about.stm

↑ 画像をクリックすると大丸温泉旅館のホームページにジャンプします。

私たちは2014年の夏に一度、日帰り入浴で大丸温泉旅館を訪れたことがありました。しかしその日は朝早く着きすぎてしまったため、まだ日帰り入浴の受付が始まっておらず有名な露天風呂には入ることが出来なかったのでした。

那須岳の山麓の那須湯本温泉の温泉街を過ぎると、山頂に向かってつづら折りの細く長い上り坂が山頂まで続きます。ペーパードライバー研修にしてはいきなりとんでもないとこに来てしまいましたが、前方に路線バスがつっかえていたのが幸いし、下手くそな私でも後続車をほとんど気にすることなく目的地まで辿りつけました。今回は私が運転を担当しているため道中の写真はありません。

山頂が近づくと、通り沿いには高雄温泉や弁天温泉の案内の看板が次々に現れます。その多くは車道からはちらっと建物の影が見えるだけで、規模としては宿が1~2軒あるだけの小さな温泉地なのだろうと思います。

前方に、草地と灌木に覆われたビロードのような茶臼岳の山肌が見えて来ると、細い山道から一転、見晴らしのいい大きな道に出ました。道の脇にはロッジ風の小屋が立ち並び、道の中央にはこの日那須高原で開催されているロードレースの出場者の車がたくさん停まっていました。

大丸温泉の温泉街

写真は2014年に訪れた時のもの。

大丸温泉旅館は、この広々としたメインストリートから脇道に50メートルほど入った場所にありますが、大丸温泉旅館には敷地内に駐車場が無いため、手前にある公共駐車場に車を停めて歩いてのエントリーになります。と言っても、駐車場と大丸温泉旅館はすぐ隣なので、10メートルほどの距離ですが。

そういえば前回来た時から、駐車スペースならいくらでも大通り沿いにあるのに、なぜこんな奥まった場所に立派な公共駐車場が必要なのかというのがずっと疑問だったのですが、後日コメント欄で教えて頂いたところによると、この不自然な程に広いメインストリートは冬場は積雪してスキーのゲレンデになるんだそうです。道に沿って立ち並ぶ小屋は、スキー客相手の土産物屋や食堂など。中には温泉がある店もあり、ひょっとすると冬場は宿泊もできるのかもしれません。

大丸温泉旅館の日帰り入浴は11時から

車を公共駐車場に停めて少し歩くと、車道から谷に向かって続く石段の先に、生い茂った木立に隠れるようにして、秘湯を守る会の提灯が飾られた大丸温泉旅館の玄関が見えました。

それにしても、やけに玄関先がひっそりしているのが気になります。石段を降りていくと、玄関先に張り紙がありました。それによると…

何と!大丸温泉旅館の日帰り入浴の受付時間は11時からなんだそうな!この時朝10時過ぎ。何と2度目にしてまたまた早く着きすぎてしまいました。調べてから来いよ…アホか自分。

早朝から日帰り入浴OKな「ニューおおたか」は庶民的な宿

流石に一時間も待つのは時間の無駄なので、近くにある別の宿のお風呂に入って行くことにしました。

大丸温泉旅館の斜向かいに建つ旅館「ニューおおたか」。こちらは朝の7時半から日帰り入浴を受け付けています。こう何度も本命に振られ続けると、早朝から受け付けてくれるニューおおたかのような宿の方が本当はいい宿のような気もしてきます。おー、何か合コンの心理戦みたいだなコレ…

石段を上ると、近年リフォームされたような白い洋風の玄関の扉は開け放たれ、奥から掃除機をかける音が聞こえてきます。フロントで声をかけるとしばらくして、宿のご主人と思しき年配の男性が出てきました。日帰り入浴は大人700円。

ニューおおたかの玄関

料金を支払い、お風呂のある建物の奥へと進むと、こざっぱりと改装された玄関先とは打って変わって、風呂場の周りはかなり古びています。

浴室は男女別で、双方内湯と露天風呂が各一ずつ。写真は男湯です。

ニューおおたか露天風呂
ニューおおたかの男湯内湯

女湯の方は他にお客様がおられたので写真はありませんが、内湯も露天風呂もこれよりずっと小さくて、露天風呂には厳重に目隠しの塀と植え込みが張り巡らされています。高台に建つ宿なので、お風呂からの眺望を期待していたのですが、女湯は残念ながらちょっと期待外れでした。

泉質は単純泉。麓にある那須湯本温泉は強酸性の硫黄泉なのですが、大丸温泉のお湯は意外なほどにあっさりした、うっすら緑がかった半透明のお湯で、若干硫黄臭がしたように記憶しています。

内湯は少し熱めでしたが、露天風呂はぬる目で爽やかな夏の高原に最適なお風呂でした。

本命にはまたまた振られてしまいましたが、大丸温泉のお湯を堪能できたのでこれから麓に向かうことにします。

廃墟マニア垂涎の秘湯!那須湯本「老松温泉 喜楽旅館」

そういえば、振られたといえば前回大丸温泉旅館のあとで立ち寄って、こちらもダメだった「老松温泉旅館 喜楽旅館」という宿が那須湯本にあったのを思い出しました。老松温泉は、何があったかここ最近にわかにテレビのロケ番組などで紹介され始めた珍スポットのような場所なのですが、何がアレかと言うと、建物が…

半壊状態の喜楽旅館

半壊した状態で営業されているんですね~。しかもこんな状態ながら温泉は非常に良いというもっぱらの評判です。

前回入れなかった理由は、前日に降った大雨のせいで機材が壊れ、修理に一週間ぐらいかかるから、という物だったのですが、いかんせん建物がこんな状態なので本当に再開するのか?という不安もありました。その後しばらくして、テレビの旅番組で紹介されていたのを見て再開されたのを知り、本当に廃業して永遠に入れなくなる前になるべく早く再訪しなければと思っていたのでした。

九尾の狐の伝説が残る那須湯本温泉

那須高原から麓に降りてくると、前方に那須湯本の公共駐車場が見えてきました。駐車場のそばの山側には、殺生石を観光する人だかりができていて、この日の那須湯本の盛況ぶりが離れた場所からでも見てとれます。

殺生石は、温泉街に隣接した山の斜面にある火山ガスの噴気帯で、伝説では美女に化け鳥羽上皇に取り入っていた九尾の狐がこの場所で退治され、巨大な石になったという那須湯本随一の観光スポットです。

殺生石は以前来た時に見たので、今回は立ち寄りません。その時の記事はこちら山腹に佇む那須湯本温泉は、意外なほどにこじんまりとした温泉街だった! | なんちゃら街道

那須湯本温泉は、那須街道沿いに建つ数軒の大型ホテルを除き、大半が民宿クラスの小さな宿です。小さな宿の中には自分で温泉の設備を持っていないところもあって、川沿いに何軒かある共同浴場を外湯とし、うなぎの寝床のような偏狭な平地にギチギチに密集して温泉街が広がっています。そのため、那須湯本に車でアクセスする場合、大きなホテル以外には駐車スペースがほとんど無いので、車は殺生石のそばにある公共駐車場を利用するしかありませんが、喜楽旅館は那須湯本の温泉街からは少し離れているため、宿の前まで車で直接エントリーすることができます。

喜楽旅館の建物は、温泉街の外れの住宅街に入る道を進んだダートの先にあります。

朽ちかけたジープ

建物のそばに放置されたジープもこの通り。全てが朽ちて崩壊し始めている様は、傍から見ただけなら廃墟以外の何物でもありません。

建物外観は前と変わらずですが、以前来た時はカーテンが閉ざされ鍵がかけられていた入り口は、今回はとりあえず開いてはいるようです。

とりあえずお風呂の入り口は開いているようだ

受付はこの風呂の建物の向かいにある、経営者の住宅と思われる小屋です。受付のある扉を開けると、すぐそこに居間があって、ご主人がおられました。入浴できるかたずねると、今回は大丈夫とのこと。

大人500円を支払ってお風呂の建物に向かおうとする私たちに、居間の方から「ゆっくり入って行きなよ~」と、ご主人の声。前回訪れた時はもっと無愛想な人だと思っていたのですが、あの日は思わぬ出費で落ち込んでいたのかもしれません。

お風呂の建物は地下に降りていく構造になっていて、廊下は人が通らない隅の方にホコリが溜まっています。

お風呂は地下

地下は湿気で天井がたわみ、壁紙が剥がれ落ちています。今までの経験では、衛生面がテキトーだったり宿から廃墟臭がしたりというのはダメな温泉宿の特徴なのですが、喜楽旅館の場合いいとか悪いとかそんな問題では無く、よくこの状態でやっていけてるなという驚き以外ありません。

湿気で天井が落ちかけている老松温泉の天井

お風呂の前の廊下は、天井が無くなって二階の屋根裏が見えています。床は完全に腐って、上を歩くとブカブカしていてかなり危険な状態。

廊下はさらに奥に続いていますが、この先は客室があって何と今でも要望があれば宿泊することもできるそうです。いやぁ、さすがにここに泊まるのはやだな…

お風呂の奥には客室が!

すぐそばの「鹿の湯」とは全く違う、低温のアルカリ泉!

写真は男湯。二つある湯船の片方しか使われていのは女湯の方も同じです。源泉は弱アルカリ性の単純硫黄泉。喜楽旅館のそばにある日帰り温泉鹿の湯の、PH2.5の含硫黄硫酸塩・塩化物温泉とは全く違う泉質です。これには驚きました。

老松温泉男湯

また非常に高温な鹿の湯に対し、喜楽旅館の源泉は約25度。もちろん加温されていますが、ややぬる目の夏にちょうどいい湯加減で、苦行のような鹿の湯とはまさに真逆の優しいお湯です。

お湯の注ぎ口のそばに飲泉用のコップが置かれていました。味は硫黄泉らしい卵臭のあとからエグみがほのかに残ります。

飲泉もできる老松温泉の源泉

30分ほど長湯したところで、他のお客さんが来られました。湯船の半分しかお湯が入っていないため、見知らぬ人と一緒になるのは微妙に気まずい距離感だったので、少し世間話を交わして上がることにしました。

一階に戻る途中、使われていない客室を覗いてみました。かつてはこの建物も、普通の旅館らしい形で営業されていたことがあったんだなぁと、何となくその当時のことを想像して胸がキュッとしたのでした。

度々廃業の噂が流れる老松温泉だが・・・

ご主人にご挨拶して、老松温泉喜楽旅館を後にします。この日からしばらくして、SNSで喜楽旅館閉館の情報を目にしました。「ギリギリ最後に入りに行くことができて良かった…」と感慨にふけっていた私でしたが、別のサイトによると2015年10月の情報ではまだやっているそうです。廃業の話は定期的に出ているようですが、やはり根強いファンがいてなかなか辞められないんだとか。

とはいえ、高齢のご夫婦だけで切り盛りされている温泉なので、本当にいつ廃業されてもおかしくありません。行ってみたい人はなるべくお早めに。

ではこれから帰りがけに塩原温泉に立ち寄って行こうと思います。

・・・つづく

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老松温泉 喜楽旅館へのアクセス

住所:栃木県那須郡那須町湯本181

Tel:0287-76-2235

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