新ブログ「べっぷ移住物語」

長崎

知られざるもう一つの特攻「特攻艇」の碑 〜長崎県川棚町〜

2015/09/05

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九州二日目。佐賀の武雄温泉の素泊まり旅館に宿泊した私達は、朝一に嬉野温泉に立ち寄り、その後ファミレスで朝食を食べながら作戦会議。とりあえず長崎市内を目指すとして、その途中で佐世保に寄っていくことにしました。

私は以前港湾関係の仕事をしていた影響で大型船を眺めるのが大好きなので、佐世保といえば軍港、普段なかなか間近では見ることが出来ない軍艦などが間近で見られる場所があるに違いない!というのが、今回佐世保に立ち寄ることに決めた理由でした。

嬉野から佐世保へは、長崎自動車道嬉野ICから高速を使って行けばあっという間です。軽く佐世保をぶらついてから長崎を目指せば、上手くすれば昼過ぎには長崎市内に到着できるかもしれません。

出発してしばらくすると…

ツレ「わぁ~、海が見えてきたよ!」

ほんとね~…

って、ぼーっとしてたけど、何で海が見えてんだ?とっくに高速に乗ってないとおかしい!

ツレが入力したナビの行き先を確かめてみると、なぜか佐世保よりも10キロ以上南に位置する「七ツ釜鍾乳洞」というところが目的地になっていて、佐世保には寄らないルートが設定されていました。

うおー!!何でや!?七ツ釜鍾乳洞行きたいなんて一言も言ってない!しかも「高速でズバッと佐世保まで」って何回も言ったのに一般道優先になってるし、全然違うやん!全然違うやん!orz

海沿いからは、東そのぎICから長崎自動車道に乗ることも出来ましたが、ここまで来て今更高速で内陸を迂回するのも何だな~と、そのまま一般道で海沿いをちんたら行くことにしました。


時々海が見える以外は至って見どころのない住宅街の中を走って行くと、通り沿いに「特攻殉国の碑」なる看板が目に止まりました。一瞬通り過ぎましたが、せっかく下道でここまで来たんだし、これも何かの縁と石碑を見に行ってみることに。

特攻殉職の碑入り口

碑は国道からは少し離れていて、入り組んだ住宅街の中にあるようですが、案内の看板がまめに出ているので、迷うことはないでしょう。

石碑はマメに案内が出ている

到着。公園のような広場の前に、大きな看板が立っていて非常に分かりやすいです。

公園のような石碑

広場の奥には立派な石碑と、隣にはプレハブ小屋が建っていました。

石碑の隣にはプレハブ小屋が

小屋の前には「特攻殉国の碑資料館」という看板が掛かっていましたが、入り口は閉じられています。

「資料館」 と書かれたプレハブ小屋

平和な住宅街からは想像も出来ない、要塞地帯だった川棚町の歴史

入り口の横にはガラスケースがあって、反射して見づらいですが「特攻艇 震洋」とキャプションが付いた船の模型が展示されていました。模型の長さは1.6メートル、縮尺3~4分の1というから、元の船も相当小さな船です。

震洋はベニヤ製の小型モーターボートで、艇首部分に爆弾を搭載した人間魚雷の船版のような物。特攻というと神風特攻隊と人間魚雷しか知りませんでしたが、高速艇による特攻ってのが行われていたとは、今の今まで全く知りませんでした。

震洋 画像

画像は震洋 - Wikipediaより。

太平洋戦争末期には、本土決戦時を想定して特攻艇を入江の奥などに配備する計画が日本各地で進められていました。ここ川棚町は数少ない特攻艇の基地跡が残されている町で、他にも魚雷発射試験場や海軍工廠の建物などの貴重な戦時遺構が町のあちこちに保存されています。特攻殉国の碑資料館の入り口にはこれらを巡るガイドマップが置いてありました。

川棚町泉時遺構めぐりパンフレット

ちなみに、ガイドマップの記載によるとこちらの資料館は、事前に連絡がない時は鍵をかけっぱなしにしているそうです。

残念ながら今回は戦時遺構巡りをする時間は無いので、石碑に手を合わせ立ち去ろうとしていると、私達と入れ違いでもう一台地元ナンバーの車がやって来ました。運転手は若い男性で、年配の男性が同乗していましたが、若い方の男性が東京ナンバーの私達の車に気づき、連れの年配男性に「東京からだよ」と声をかけました。

年配の男性はとても驚いた顔をして、私達に向かって「わざわざ遠いところをありがとうございます」と頭を下げられたのでした。

すいません、迷い込んで来ただけなんです・・・


特攻殉職の碑を後にしばらく進むと、前方に洋風の建物が見えてきました。場所柄、教会などの西洋建築はあちこちにあってもおかしくはありませんが、それにしちゃずいぶん新しいような…しかもめちゃくちゃデカイし。

建物が見えた場所から少し先にあった駅の名前を見て納得。やけに巨大なあの洋館はハウステンボスです。一時は経営不振で潰れる寸前だったハウステンボスを、旅行会社のH.I.Sが請け負って再建したとかどっかで見ましたが、この日も駅前では平日にも関わらず大勢の子供連れの姿で賑わっていました。

佐世保といえばあの!有名企業の本社ビル

もうすぐ佐世保の市街地です。ふと沿道の建物に目を遣ると…

見覚えのある建物が

ん?あれはもしや!!

ジャパネット本社ビル

ジャ~パネット ジャパネット♪でお馴染みジャパネットたかた!!番組だともっと佐世保港そばの高層ビルにあるようなイメージでしたが、ここからは多分海はあんまり見えなさそう。スタジオはまた別にあるんでしょうか。

軍港だけど、軍事を観光に活かす気が全く無い佐世保市

佐世保の中心地に入りました。

佐世保の市街地

佐世保駅前には大きなショッピングモールがあったり、思っていたよりずっと開けていました。

佐世保といえばアメリカ軍の基地があることで知られますが、町中には皇居前に匹敵するほどの数の外国人の姿が。道を走る軽トラのナンバーもこんな具合です。

何となく軽トラに付いて行くと、前の交差点に金色の鳥居と妙な配色の日章旗の看板が立っています。何だここは?

行ってみるとヤバイ!ここは米軍基地の入り口!

米軍基地ゲート

いやしかしまてよ?普通にしてりゃ案外普通に中に入れたりして…

入って何するってわけでもないんですが、試しに入れないかチャレンジしてみたところ、やはり敢え無く警備員に止められて、Uターンさせられてしまいました。そりゃそうね。

ゲートの出口は、逆走して入ってこれないように、逆走車のタイヤをパンクさせる鉄の歯が待ち構えています。

基地入口の逆走防止装置

ひえ~、おそろしや、入り口には鳥居立てたりしてウェルカムな感じだったくせに。

ゲートの脇に目をやると、日用品を満載したショッピングカートを押し歩くレスラー体型の白人男性の姿が目に入りました。映画ならこの検問を突破して一悶着起こすシーンですが、実際米軍兵の姿を間近で見ると、日本人とアメリカ兵とじゃ子鹿とライオンぐらいの体格差があり、もしあんなんにとっ捕まったら一捻りでウ~です。

米軍基地を後にし、佐世保の街をグルグル。しかし、佐世保には呉港のような軍艦が見える公園や、大和ミュージアムのような博物館や資料館は一切ありません。

佐世保といえば、もう一つ有名なのが佐世保バーガー。偶然前を通ったハンバーガーショップ「ヒカリ」の前のベンチには、昼時ということもあって大勢の人たちが座っています。しかし、朝食を食べるのが遅かったのと車が停めにくそうだったこともあり、今回は立ち寄りませんでした。

近年稀に見る税金の無駄遣い施設「海上自衛隊 佐世保資料館」

どこか軍艦が見えそうな場所はないかと、人気のない港に入ろうとしてつまみ出されたりされながら、ようやく米軍基地のゲートからほど近い場所にある、海上自衛隊の佐世保資料館が一般公開されていることを知った私達。

「セイルタワー」と名付けられた資料館は七階建ての立派な建物で、閲覧料は無料です。

セイルタワー

館内の展示物は全て撮影禁止とのことで、残念ながら写真はありません。佐世保バーガーの食べ歩きも禁止。

館内飲食禁止

しかし、展示物は大きめのプラモデルぐらいの軍艦の模型などが大半で、撮影禁止の理由が全く分からないのですが…

他にも、延々海上自衛隊のPRビデオが垂れ流されているだけの立派な映像ホール、無意味に動いたり光ったり映像が流れたりするジオラマ、勝海舟や山本五十六のブロンズの胸像、無駄に金のかかったわかりづらいパネル展示…近年稀に見る税金の無駄遣い施設ですね、ここ。中には興味深い内容もありましたが…

例えば、先ほど前を通過してきたハウステンボス。今は家族連れや若者たちで賑わう平和なテーマパークですが、太平洋戦争の時代には佐世保鎮守府の海兵団(警備官、下士官、艦船部隊への補充要員などを教育する機関)が置かれ、終戦後は海外に残された日本人の復員を支援する引揚援護庁があった場所なんだそうです。

それから、唯一キャッチーで面白いと思ったのが、軍艦を操縦出来るシュミレーターです。

電車でGO!みたいな感じのテレビゲームなんですが、最初こそ「何だ楽勝じゃん?!」って思うんだけど、調子こいてグングン飛ばしてると、見えない角度から漁船が突っ込んできてゲームオーバーになったりするので、軍艦と漁船との衝突事故がいかに「横から突っ込んでくる小船なんざ知るか!!」という事案なのかがよく分かる展示でした。

空前の軍艦ブームにも全く乗る気が無い佐世保資料館

最近、艦これという軍艦を少女キャラに擬人化したゲームが大ブームですが、佐世保資料館はそもそも無料なので、現場を知ってる職員でさえ「もっと来客数増やさないと切られちゃうかも…」なんて危機感も無く。いや、むしろ「来場者が少ないほうが楽でいいや」ぐらいにしか思って無さそう。

そんな感じなので、次はもうないかも知れないほどの軍艦ブームのこのご時世に、流行りに乗った展示で来客数を増やそうとか、そういう熱意やアイデアの欠片も一切なし。

http://www.dmm.com/netgame/feature/kancolle.html

無料ってのも考えもんだなぁ、と改めて実感した次第でありました。

そんな感じで、佐世保は私の目的からすると非常にガッカリな街でした。個人的には、軍艦目当てなら佐世保よりも呉のほうが圧倒的にオススメです。米軍基地に関しては、事前に予約していればガイド付きで基地内を案内してもらえるようなことをどこかで見ましたが、料金や条件などの詳細は調べていないので不明です。

丁度昼時でしたが、朝食を食べるのが遅かったのでいまいち佐世保バーガーという気分にもなれず、長崎を目指すことにしました。

・・・つづく

特攻殉国の碑へのアクセス

住所:長崎県東彼杵郡川棚町新谷郷

Tel:0956-82-2064(川棚町教育委員会)

URL:http://www.kawatana.jp/kankou/2010/12/post-3.html

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