新ブログ「べっぷ移住物語」

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ダムに沈む川原湯温泉の共同浴場『王湯』

2015/09/05

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連休最終日、新鹿沢温泉を後にし、東京に帰る前に川原湯温泉に立ち寄って帰ることにしました。八ッ場ダムに沈む温泉地といえばピンと来る方も多いかと思います。

すったもんだの挙句、八ッ場ダムは建設するのかしないのか有耶無耶になって終ってしまいましたが、ダム建設は結局続行されることになったと、数年前に川原湯温泉に訪れた時に常連のお客さんから聞きました。完成などの詳細な日程は不明。

川原湯温泉街入口のアーチ。

川原湯温泉のアーチ

アーチを潜り上り坂を進むと、道の右手にはかつて嘉納治五郎の別荘があったとされる空き地があります。嘉納邸前には取り壊された建物の廃材や古畳がうずたかく積み上げられていました。

アーチから温泉街へ向かう道

聖天様露天風呂は2013年6月いっぱいで閉鎖

嘉納治五郎邸を通過し数十メートル進むと、川原湯温泉のシンボルでもあった聖天様露天風呂の入口が見えてきました。

聖天様露天風呂入り口

露天風呂は車道から山の斜面を少し上った所にあります。しかし、階段の傍らにはこんな手書きの看板が立っていました。

聖天様露天風呂は閉鎖

聖天露天風呂を諸般の事情により六月三十日を持ちまして閉鎖させて頂くことになりました。
長い間御愛顧いただきまして誠にありがとうございました

川原湯温泉組合長

ええマジで?ってことは、川原湯温泉はもう温泉街としては終わってしまったんでしょうか?

聖天様露天風呂が今どんな状況になっているのか、ちょっと見に行ってみることにしました。露天風呂に向かう階段の先には、時間外に封鎖するために設けられていた門がありますが、今は開けっ放しになっているようです。

露天風呂の門は開きっぱなしになっていた

中を覗くと目の前には、以前と変わらず、露天風呂の東屋が建っていました。

聖天様露天風呂の東屋

しかし東屋の中は、ここしばらく使われていないのを物語るように木の葉やゴミなどが散乱していて、湯船はお湯が抜かれています。

お湯が抜かれた露天風呂

以前来た時の聖天様露天風呂。

2011年に撮影した聖天様露天風呂

露天風呂はまるで、突然来なくなってしまった入浴客が再び来るのを今でも待ちわびている様に見えました。

露天風呂のそばにある聖天様の祠にも御参りしてくればよかったな。何回も露天風呂には入りに来たのに、聖天様には一度も行ったことなかった。何て罰当たりな私たち。

川原湯温泉には、未だに営業を続けている宿も数軒ある

聖天様を後にしてさらに温泉街の坂道を上って行きます。

私が初めて川原湯に来た時には、もうすでに大半の宿や店は立ち退いた後でしたが、その頃まだ営業を続けていた宿もこの日訪れた時にはさらにいくつか店を畳んでいました。

未だに営業を続ける丸木屋という宿(2013年10月現在)。玄関先に予約客の名札が掛けられています。

やまきぼしという宿の前には、『日帰り入浴できません』との札が出ていて、廃業してしまったのかと思いきや日帰りは受け付けていないだけで、宿としてはまだ営業されているそうです。(2013年10月現在)

りょかん『やまきぼし』

川原湯温泉協会のHPを見てみると、他にも何軒か営業を続けている宿があります。(2013年12月現在)

川原湯温泉で未だに営業を続ける日帰り温泉『王湯』

そして、川原湯で未だに大盛況なのがここ。

共同浴場の王湯です。

王湯外観

川原湯には3〜4回来ているのですが、毎回聖天様の方に入って満足してしまい、こっちに来るのは実は初めて。

入口を入ると、受付にある券売機で入浴料300円、座敷で休憩する場合600円のチケットを買って、横にいるおばちゃんに渡します。

王湯入り口の券売機

受付では、温泉卵を作る用の生卵も販売されていますが、10個パックの物しかなくバイクだし持って帰れないんで卵を買うのは今回はやめときました。そういや過去に聖天様露天風呂に行った時も、一緒にいた人に温泉卵おすそ分けして頂いたっけ・・・

そんなにしょっちゅう来ていたわけでも無いのに、何かにつけて昔の思い出が感傷的に蘇って来ます。あとしばらくで無くなっちゃうのか、ここも。

無くなっちゃうなんて信じられないぐらい、普通の川原湯温泉王湯

あんまり景色の良くない王湯の露天風呂

王湯には内湯と露天風呂があります。

まずは露天風呂の方に行ってみることに。露天風呂は、受付がある建物から、渡り廊下を渡った建物にあります。

露天風呂へは渡り廊下を渡って隣の建物へ

こちらは女湯。鍵型をした湯船には、うっすらと白く濁った半透明のお湯が満たされていました。泉質は含硫黄-塩化物・硫酸塩温泉。

露天風呂(女湯)

この日の湯加減は40℃に充たないぬる湯で、ぬる好きの私にはちょうどいい湯加減でしたが、一緒に入っていたもう一人の方はぬる過ぎると不満を漏らしていました。

お湯の注ぎ口は二本のパイプが通っていて、腐食が激しい方が源泉、そして蛇口が付いている方が真水です。

腐食が激しい方が源泉、蛇口が付いている方が真水

注ぎ口の近くには、このような注意書きがありました。

三本のお湯が出ています
水を止めたら熱くてとても入れません
子供づれの人は特に湯の温度を確かめて入って下さい
水は絶対に止めないで!!

川原湯温泉の源泉は泉温71.6℃もあり、水で埋めなければ熱くて入れないのですが、前の人が蛇口を多めに開けたまま上がってしまうと、後でぬるくなりすぎてしまうのですね。その逆も然り。

三本のお湯が出ているとありましたが、ここには一本しか見当たりませんが、あとの二本はどっから出てるんだろう?

湯船に浸かると微妙に目隠しの壁が高くて、ほとんど外の景色は見えません。うっそうと木々の生い茂った谷底に面して建てられた露天風呂は、人の目など全く気にならないような感じなんですけどね。

しばらくして、ツレが上がると男湯の方から声をかけてきたので、私も上がりました。

歴史を感じる王湯の内湯

そしてお次ぎは内湯。内湯は受付があった建物の方にあります。受付のすぐそばに階段があり、下に内湯の男湯と女湯の入り口があります。

内湯も階段を下った先にある

写真は女湯。

女湯内湯〜脱衣所〜

山の斜面に建てられた王湯は浴室内にもかなりの高低差があって、脱衣所から浴室まではさらに階段を下ります。

高低差のある浴室

なぜか下にももう一つ脱衣所がありました。

惜しげも無く湯船に注がれるお湯は、湯船の縁からオーバーフローして排出されます。内湯は露天風呂と違って熱すぎずぬる過ぎず、大変にいい湯加減でした。

川原湯温泉王湯女湯

源泉の注ぎ口のそばには露天風呂と同じ注意書きがあり、飲泉用のコップが置かれていました。

川原湯温泉のお湯は飲泉可

飲んでみると、硫黄泉らしいタマゴ臭がありますが、割と癖のない味です。と言っても、そんなにゴクゴクいける感じではなかったですが。


風呂上がり、有料の座敷にて。川原湯温泉の泉質は怠くなるのか、座敷にいた人はみんな横になってうとうとしていました。

座敷休憩は有料

信じられないな。こんなに普通の温泉地の日常が、もうすぐあれもこれもみんな無くなっちゃうなんてね。・・・

セルフサービスのお茶を何杯か飲み、ではそろそろ東京に帰りますかね。

さようなら川原湯温泉、忘れられないぐらいにとってもいいお湯でした。受付のおばちゃんにお礼を言い、王湯を後にします。

レジの背後の壁には、群馬県のマスコットキャラクターぐんまちゃんのぬいぐるみがぶら下がっていました。これは、川原湯温泉に古くから伝わる奇祭、『湯かけ祭り』バージョンのぐんまちゃん。

湯かけ祭りバージョンぐんまちゃん

湯かけ祭り、最近でもまだやってるのかな?

温泉街の坂道を下って行くと、はるか彼方に建設中の高架道路が見えました。ひょっとすると、今度来た時にはあの橋の上から八ツ場ダムを見下ろして、川原湯温泉のことを思い出したりしているのかもしれません。

はるか彼方に新しい高架道路が

おわり。

川原湯温泉 王湯へのアクセス

住所:群馬県長野原町川原湯290

Tel:0279-83-2591

URL:ー

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