新ブログ「べっぷ移住物語」

山梨県

山梨県増富温泉金泉閣の自炊部「旅館はくすい」でお気軽湯治!

2016/05/21

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東京から一人小型バイクのKSRで山梨まで来た私は、甲州市の塩山温泉にある井筒屋別館で一泊し、翌朝北西の山間部に位置する増富温泉を目指して出発しました。今日は珍しくもう宿は決まっています。今夜の宿は「旅館はくすい」。はくすいは、前回増富温泉に来た時に泊まった「金泉閣」という宿の自炊部で、ツレとは現地で合流することになっています。

前回来た時は9月の下旬だったので日中は汗ばむような気候でしたが、あれから2ヶ月近く経って今はもう晩秋。温暖な山梨県なので積雪や路面凍結はまだ心配ないとは思いますが、山の方は東京の真冬のような気温になっていることが予想されます。

以前来た時と同じルートを通り、雁坂みちを秩父方面へ。牧丘トンネル手前を左に曲がって、「クリスタルライン」を目指します。クリスタルラインは、東は山梨市牧丘町窪平(R140)から西は北杜市高根町清里(R141)まで、標高1,000m以上の森林地帯を抜ける北部山岳ルートです。総延長は68.1km。県道・林道・農道・市道等20路線からなっています。

果樹園の中に住宅が点在する傾斜地を上って行くと、次第に道は森の中に入って行きます。今回は、前に来た時とと同じルートをなぞるだけなので気楽です。

クリスタルライン入り口で昨日からガソリンを入れていないことに気がつく

焼山峠に到着しました。

牧丘市街地から来た時に最初に通る「焼山峠」

クリスタルラインでは名前の付いている峠が高速でいうところのジャンクションに当たり、焼山峠からは前回増富温泉に行く時に通った荒川林道と、大弛峠(おおだるみとうげ)に向かう川上牧丘林道とに分岐しています。

そういえば、右の大弛峠の方の道はどうなっているんだろう?ツーリングマップル(バイクツーリング用地図)で確認してみると、大弛峠から長野県の川上村の方に抜けられそうな道があるのが目に止まりました。

前回通った荒川林道を通るのが間違いないのですが、新しい刺激が欲しくてダメ元で大弛峠の方に行ってみることに。こないだからこんなことばっかやってる気がするな…

乙女湖畔の金峰泉は休業中

焼山峠からしばらく進んでトンネルを抜けると、目の前にダム湖が広がっていました。

乙女湖湖畔に建つ温泉旅館

これが周辺案内の地図などに目印としてよく載っている乙女湖です。

そういえばツーリングマップルによると、乙女湖の周辺には「金峰泉」という旅館だか日帰り温泉だかがあるようなのですが、少し先に目をやると湖畔に小さな建物が建っているのが見えます。

しかし建物の前まで行ってみると、休業中の看板が出ていて入り口や窓は閉ざされていました。休業期間は近くの道路工事が終わるまでとのことなのですが、付近に工事をしている道路が見つからなかったので、金峰泉がいつ再開するかも不明です。

乙女湖から大弛峠までは11人乗り以上のバスは通行禁止

大弛峠に向かう道の入り口には、11人以上の車両は通行禁止の看板が立っていました。ここまでも細い林道を通ってきたので、大弛峠までの道もさぞかし荒れた狭路なのだろう、そう思っていたら、川上牧丘林道は林道とはとても呼べないような金のかかっていそうな立派な道で、大型バスはちょっと厳しいかもしれませんが、マイクロバスぐらいなら全然余裕そうなのに、何がダメなんでしょうか。環境保護とかそういう目的なのかな。

林道とは思えないぐらい綺麗な道

高度がどんどん上がって行くと、次第に山に生えている木々の様子も変わって来ます。

真冬の重装備で来ましたが、いやマジで寒いわ!走ってる間中、かき氷を食べた時みたいに頭蓋骨がキンキンします。

大弛峠、川上村側は冬期通行止め注意!

さらに進むと不意に車道に何台もの車が停まっているところに出くわしました。途中ほとんど車とすれ違わなかったのに、突然たくさん車が停まっているので「何?何?」と驚きながら奥に進むと…

突如たくさん車が停まっている駐車場に出た

お~う!徒歩専用登山道~っ!

大弛峠登山道入り口

ツーリングマップルをよくよく見ると、大弛峠から川上村方面へは11月上旬~5月末まで通行禁止と小さく注意書きがありました。登山道の看板にも「車で越えられる峠としては日本一標高の高い峠です」とあるので、夏に来たら先に進めたのかもしれませんが、今回は車道はここで終了していました。

大弛峠への道だけが他に比べやけに綺麗だったのも、ここがクリスタルラインを使わないと来れない唯一のメジャースポットだからなんでしょう。増富温泉にしろ、甲府のほうにある積翠寺温泉にしろ、整備された県道が他にも用意されているので、あえて林道を通ってくるような人はごく稀です。

それにしても、普段屋外で仕事をしている関係で暑さ寒さには相当強い私でさえ、嫌になるぐらいの冷たい強風が吹き荒れるこの峠で、小さなテントを張ってビバークしている人が何人もいます。よくこんな寒い中で寝れるよな、変態かよ… まあ、車の人からは私も同じように見られてるんでしょうけどね。 

焼山峠まで引き返し、前回来た時のルートで増富温泉を目指します。しかし、前に来た時と違い、路面を杉だかヒノキだかの枯葉が一面覆っていて、ものすごく走りづらいです。広葉樹が少ないのが救いですが、針葉樹も秋口に落葉するんだっけ?

ほぼ完全に冬に突入した山梨の山中は、全ての動植物が活動を止めてしまったかのようにシンと静まり返り、聞こえるのは私のバイクの音だけ。

気味が悪いぐらい静かな森

そういえば、以前読んだ柳田國男の「山の人生」という本の中に載っていたどこぞの地方の言い伝えで、年に数回山の神様が山の木の本数を数える日があって、その日に山に入ると神様に木と一緒に数えこまれ木にされてしまうという話をふと思い出し、突然背筋が寒くなりました。

神社など神聖な場所に行くと、空気が凛と張り詰めているように感じられることがありますが、一人冬のクリスタルラインを走っていると、神が張り巡らせた結界の中に迷い込んでしまったような感じがして、逃げ出したいような気持ちになります。

林道から瑞牆山を望む

無生物であるはずのKSRが、こんなに頼もしい相棒に感じられたのは初めてです。

さっき大弛峠にいた人達は、舗装もされていない山道を我が身一つで行くのですから、肝っ玉が座っているというかやっぱりある種の変人なんだろうな。

もしかしたらあの人たちも、山の神に魅入られたのかもしれません。そう考えると、山好きな人が言う「山が呼んでる」ってちょっと恐ろしいなと思いました。

さっきまでは面白がってわざと違う道を通ったりしていたのですが、今回は本気で分岐を間違え甲斐市の方に行く野猿谷林道に行ってしまったのですが、ここまで通って来た林道に比べて交通量が少ないのか落ち葉の量が半端ないので、気味が悪くなって引き返してきたのが正解でした。

増富温泉に到着

増富温泉に到着。林道の方から来ると、やはり人間の居住区には柔らかな空気が流れています。

林道からすぐの場所にあるのが津金楼、そしてさらに進むと増富温泉で一番有名な不老閣と向い合って、金泉閣の本館が建っています。

散々道草しましたが、出発が早かったのでこの時まだ午後2時前です。ツレもまだ到着しないので、増富温泉唯一の日帰り温泉施設「増富の湯」で時間を潰すことにしました。

増富温泉の日帰り温泉施設「増富の湯」

しかし、真冬並みの寒さに晒され続けた体に増富温泉のぬる湯はまるで拷問。とりあえずサウナに飛び込んで、熱気がこもる一番上の段で体が温まるまでしばらくガタガタ震えていました。

10分ほどして、ようやく温泉に入れるようになりましたが、こういう目的でサウナを使ったのは人生で初めてでした。

この寒さなので空いているだろうと思っていましたが、意外にも結構人がいます。しかし、大半が一番温度の高い湯船に集中していて、他のところはガラガラ。前回増富の湯に来た時には、ツレがいたのであまり長湯ができませんでしたが、今回は一人なのでふやけるまで増富の湯を堪能できそうです。

一時間ほど温泉に浸かってから、一旦お風呂から上がり食堂で昼食を取ります。増富の湯中にある「花豆食堂」で、天ぷらうどんを注文。

花豆食堂の天ぷらうどん

前回来た時はベタにほうとうを注文しましたが、うどんの方も富士吉田の名物「吉田のうどん」を彷彿とするエッジの立ったコシの強い太麺で、原料の小麦粉の美味しさを味わえる大変美味しいうどんでした。

吉田のうどんっぽいがっしりした麺

食後、少し広間で休憩してから再びお風呂へ。

増富の湯は、他の旅館のお湯に比べるとお風呂が大きい分お湯の鮮度がかなり落ちてしまうのですが、それでも超濃厚な素晴らしい温泉です。いいなぁ、毎週通いたいなぁ。韮崎あたりで仕事ないかしら?

普段の旅行と同じ装備で湯治ができる!金泉閣の湯治部「はくすい」

3時になったので、先にチェックインを済ませて部屋でツレを待つことにしました。金泉閣の自炊部は、金泉閣の建物のから50メートルほどメインストリートを下った場所にある「はくすい」と書かれたこちらの2階建ての建物。

金泉閣の自炊部「はくすい」

玄関から中を覗いてみると、ソファーが並んだロビーの脇にフロントのカウンターがありましたが、中は無人。金泉閣の本館まで行って聞いてみると、はくすいのフロントカウンターに鍵が置いてあるので、勝手に取って部屋に入るシステムになっているそうです。

はくすい玄関ロビー

この時、金泉閣のフロントで一人分で予約したけどもう一人増えますという報告はしましたが、黙ってたら一人分の料金で二人以上泊まるの余裕な気が。世の中いい人しかいない前提ですね、すごいな。

旅館はくすい和室

部屋は建物の二階で、ベッドの部屋と和室の二種類がありますが、今回は和室でした。窓からの景色は…

旅館はくすい客室からの眺め

公共の駐車場。駐車場の脇には本谷川が流れているので、せせらぎの音は聞こえて来るのですが、川自体は全く見えません。

部屋の備品はこたつの他にテレビや冷蔵庫など、普通の旅館と比べても遜色ありません。自炊部というと、ガチの温泉だと布団やテレビ、冷蔵庫なども持ち込みでないとレンタルに別料金を取られる所もありますが、金泉閣の自炊部は布団の上げ下ろしや食事の準備を客が行うというだけで、何とバスタオルや浴衣も備え付けられています。

自炊部備品は冷蔵庫、テレビ、バスタオル、浴衣諸々

ただし、はくすいの建物にはお風呂やシャワーの設備がないため、お風呂は金泉閣本館まで入りに行かなければなりません。建物の一階は台所で、客室は全て二階。エレベーターも無いので、自炊部とはいっても足腰の弱いお年寄りが連泊するにはあまり適さない施設です。

一階の台所には、食器や調理道具の他ラップやアルミホイルなどのちょっとした消耗品、さらに各部屋に一つずつ炊飯器が準備されているのには驚きました。こうなると、はくすいに宿泊する際に客が準備していくものは唯一食料品だけですが、何とお米も金泉閣本館のフロントで購入できるので、限りなく普通の温泉旅行に近い持ち物で湯治ができ、車を持たない私たちのような人間にはありがたいの一言。

旅館はくすい炊事場

ツレが到着したので、先に食事を済ませることにしました。

食品も揃う食堂「松村物産店」と「かもしか」

はくすいの向かいは、食料品店に食堂が併設された「松村物産店」です。生鮮品の品揃えは少ないですが、毎日お店で焼くパンは常連さんの間ではよく知られる名物だそう。翌朝の朝食のパンを購入し、お隣の食堂へ。

松井物産店の食堂

食堂は本来は讃岐うどん屋なのですが、お酒やツマミ系のメニューも豊富です。ただし、閉店時間が午後7時と早いので、あまりいつまでもウダウダ飲んでいられないのが少し難点ですが、テイクアウトにできるメニューもあるので、数日の湯治であればおかずすら準備しなくてもいいかもしれません。

馬刺し。麓の牧丘市街地に馬肉専門の肉屋があったので、馬刺しはこの辺りの名物のようです。

甲州名物馬刺し

天ぷらは地元野菜やキノコがてんこ盛りで、一人で食べきれないぐらいのボリュームです。

松井物産店の他には、はくすいと金泉閣本館のちょうど間ぐらいにある「かもしか」という土産物屋も食堂をやっていて、こちらでもおにぎりぐらいなら持ち帰り用に包んでもらえます。

バス停の前にある食料品店「かもしか」

かもしかでは調理はおばあちゃんが担当されていて、おにぎりを注文するとげんこつのような巨大なおにぎりと、ちくわと菜っ葉をピリ辛味で炒めた副菜もサービスで付けていただきました。

食後はお風呂へ。とっぷりと日が暮れた温泉街を奥へと進みます。はくすいの出入りは24時間自由。とはいっても、夜は本館のお風呂以外行くとこもありませんが。

夜の金泉閣

お風呂の写真は前回来た時のもの。はくすいの宿泊客も、本館の宿泊客同様午前6:00~11:30と午後12:30~22:00なら好きなだけ本館のお風呂に入ることができます。


金泉閣「福寿の湯」

食事の時間に合わせて行動しなくていい分、ゆっくりと温泉を堪能することができ大満足でした。しかし、自炊部は安いのでやはり人気がありなかなか空室が出ないようなので、次はもっと早めに予約して連泊したいなと思いました。

こんな感じで翌朝を迎えました。精算は金泉閣のフロントまで出向いて後払いで料金を支払います。ええ~、先払いにしといたほうがよくない?おまけに自炊部はカードは使えないとのことで、むしろ身元保証のためにカードオンリーにしといたほうがいいのでは…

まぁ、こういう昔ながらのゆるいシステムも、金泉閣の魅力の一つなのかもしれません。

クリスタルラインを牧丘町に向かって進む

これから再びクリスタルラインを通って、牧丘町を目指します。東京に帰る前に、塩山温泉で立ち寄り湯&ランチ休憩。

塩山温泉の公衆浴場

一昨日私が一人で泊まった井筒屋別館は、前が公衆浴場になっているので昼食の前にひとっ風呂浴びることにしました。

塩山温泉共同浴場内部

塩山温泉の公衆浴場は隣にある宏池荘という湯元旅館がやっていて、私達が到着した正午ごろは本来は昼休みで入れなかったようなのですが、宿の方のご厚意で入らせていただくことが出来ました。

塩山温泉公衆浴場浴室

井筒屋別館のお風呂が小さい割になかなか良かったので、湯元の公衆浴場はどれほどのもんかとかなり期待して行ったのですが、浴室に入った瞬間からかなり強烈に塩素臭を感じます。

天然温泉の滑らかさがほとんど失われた公衆浴場

湯船は2つに別れていて、奥の大きな方は加温した適温の湯船、手前の小さな湯船が加温無しの源泉です。塩山温泉は、というよりも山梨県の温泉の大半はぬる湯か冷泉で、ここ塩山温泉の温泉も他の県内の温泉同様源泉の温度が低く、加温が必要です。

多くの場合燃料費の関係で加温の温泉は循環ですが、塩山温泉の公衆浴場は塩素の投入量が雑なのか、湧出量に見合わない大きさの湯船を作ってしまったのか、カルキ臭に加え天然温泉の滑らかさもほとんど失われてしまっています。元湯がこれじゃなぁ…

源泉の方は、循環無しで湯船に溜めっぱなしになっています。湧出時の温度が28度とのことで、夏場でもわざわざ源泉の方に入る人は少ないのでしょう。この時は11月下旬だったためかなり頑張って源泉の方にも入りましたが、皮膚の表面に膜が張ったようなツルツル感は沸かし湯の方ではかなり失われており、無理してでもこちらに入ったのは正解だったと感じました。

塩山温泉公衆浴場の源泉風呂

プールとかと同じで、冷たい源泉も気合い入れて肩まで浸かってしまえば割りと大丈夫で、さらに沸かし湯の方と交互に入ることで、寒さでこわばった体の隅々にまで血液がビュンビュン流れる感触がやみつきになりそうです。

塩山温泉、泉質は圧倒的に井筒屋別館>公衆浴場です。他の旅館のお風呂の様子は不明ですが、浴室は公衆浴場の方が広くて綺麗なので、重視するポイントで選べばいいと思います。ただし先にも書きましたが塩山温泉のお風呂は加温が必要なため、旅館のお風呂はいきなり行っても準備が出来ていなかったり、外来を受け付けている時間が非常に限られていたりといったことも考えられますので、立ち寄りの際は事前に連絡をしてからにして下さい。

塩山温泉駅前で昼ごはんにほうとうを食べ、帰路に就きます。未だに山梨から一般道で東京に帰るのに、どのルートが一番早いのかよく分かっていないのですが、今回は奥多摩を通って青梅街道で帰りました。風光明媚な湖畔の紅葉は家までの距離を忘れさせてくれるものでしたが、府中のあたりから発狂しそうなド渋滞にハマり、家に着いた頃にはもうヘロヘロ… 今回も温泉に癒され、帰りで体ボロボロになりました。

紅葉が見事な奥多摩

おしまい

増富温泉金泉閣へのアクセス

住所:山梨県北杜市須玉町小尾6676

Tel:0551-45-0511

URL:http://www.kinsenkaku.com/hakusui.html

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