新ブログ「べっぷ移住物語」

長崎 鹿児島県

島鉄フェリーと天長フェリーを乗り継ぎ、島原から鹿児島へ

2016/05/21

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雲仙温泉の日帰り温泉「小地獄温泉館」の休憩室で今後の作戦を立てている私達は、そろそろ東京に帰ることも視野に入れつつ、フェリーで熊本方面を目指すことにしました。

島原半島から運行しているフェリーは、島原港と熊本港を結ぶ九商フェリーや熊本フェリーの他、半島の北端にある多比良(たいら)港と熊本県北西部に位置する長洲港を結ぶ有明フェリー、南端の口之津港から天草の鬼池港を結ぶ島鉄フェリーなどがあり、日に何本も運行していることから、特急のような感覚で利用することができるのがいいですね。

そこで、今回私が立てたプランはこうです。

まずは島原半島の南端の口之津港から、島鉄フェリーで天草の鬼池港へ渡ります。そこから天草諸島の東の主島である「下島」の南東にある中田港まで移動し、天長フェリーに乗って鹿児島県の長島へ上陸。長島は橋で九州本島と繋がっているので、あとは国道をまっすぐ行けば鹿児島県出水市に上陸…出来るはず。

次なる目的地は鹿児島内陸の伊佐市

サスペンスのトリックのようなカツカツのスケジュールなんですが、島原から普通に一本で熊本まで行ける便が何本もあるというのに、何でこんなに大回りするルートを組んだかと言いますと、長島から国道をほぼ真っ直ぐの鹿児島県の内陸にある伊佐市というところに、私が以前から行ってみたいとずっと思っていた「ガラッパ荘」という民宿があるんですね~。

事前にガラッパ荘に電話で空室を問い合わせてみると、食事は用意できないけど部屋は空いているとのこと。ガラッパ荘は伊佐市の中心地から車で15分ほどの場所にあるため、夕飯は町で調達して行けば問題はありません。

熊本市内から高速を利用するのに比べて、フェリーを乗り継いで鹿児島まで行くのが早いかどうかはかなり微妙なところなのですが、高速だと景色などは関東にいる時とさほど変わらないし、九州らしさを感じるためにも、天草から大回りで行くほうがより良い選択肢のようにも思いました。

しかし、中田港から長島へ渡る便の最終は15時55分。鬼池港から中田港までは国道で一本ですが、いかんせん初めての場所なのでどこで何があるか分かりません。現在丁度正午。結構頑張らないと最終便に間に合わないやも??


そうと決まれば早速出発です。木立に覆われた国道389号線を南へと車を走らせると、麓へ近づくにつれ視界が開け、見渡すかぎりの広大な田園地帯が広がっていました。

雲仙南麓の田園地帯

木立と農地、住宅を交互に繰り返す景色は徐々に住宅の数を増していき、やがて町に入ると程なくして、道路脇に「フェリー駐車場」と大きな看板が立っているのが見えました。

口之津港に到着

アバウト過ぎる西九州のフェリー、時刻表はプラス10分

フェリーの入港にはまだ時間がありますが、小さな二階建ての古びた事務所の前には、すでにたくさんの車がフェリーの到着を待っていました。

島鉄フェリー口之津営業所

事務所の中はチケット窓口と待合所、土産物などを販売する売店があって、チケットカウンターはまだオープン前でした。

口之津港の土産物屋

島原名物激甘スイーツ「かす巻」

時間潰しに、待合所の土産物を物色していると、いかにも長崎らしい商品を発見。

長崎の人は、料理の甘みが足りない時に「長崎の遠か~(長崎が遠いなぁ)」なんて言うらしいですが、「かす巻」はただでさえ甘いカステラであんこを巻いた、島原名物の激甘スイーツです。しかもダメ押しのように、表面をびっしりとザラメでコーティングしてあるという…何かものすごい食い物だな、コレ。

そういえば、職場の人が昔長崎市内の友達の実家に一ヶ月ぐらい滞在した際、地元の人の常軌を逸した甘党具合に度々驚かされたと話していました。例えば長崎名物の皿うどんや魚の刺し身、果ては通常しょっぱい味付けが一般的な酒の肴にまで砂糖をかけるので、町の居酒屋に行くとテーブルの片隅に、喫茶店のようなシュガーポットが常備されていたりするんだそうな。

しかし今回の旅では、良かったのか悪かったのかそこまで変わった味付けの食べ物は一度も出てこなかったなぁ。観光地の飲食店にしか行ってないからな。一回ぐらい長崎に来た記念に「うぇぇ!甘い!」ってなってみてもいいかな?って気もしましたが、ネタで買うにはかす巻は若干大きすぎるので、今回は思いとどまることにしました。

予告もなく何十分も遅れてくる島鉄フェリー

口之津から天草の鬼池港までは約30分の航路で、料金は私達が乗ってきたラパンで2,210円でした。車の料金には運転手の乗船料も含まれているので、車×1と一人分の乗船券を購入し、車に戻って船が到着するのを待ちます。

しかし、出港予定時刻の15分前になっても、沖にフェリーらしきは影も形も見えません。

都内の交通機関なら、15分も遅れるとなるとどういう理由で遅延してるかや、いつ到着予定かなどのアナウンスぐらいあるのが普通なですが、不満を漏らしている乗客も特に見当たらないところを見るに、これくらいの遅れはよくあることのようです。

そして出航時間になって、ようやくフェリーが港に入ってきました。大幅に到着が遅れた割に作業は非常にテキパキ進行し、船が小さいこともあってあっという間に全ての車の積み込みが終了。

島鉄フェリー車両甲板

島鉄フェリーには「くちのつ」と「あまくさ」の二艘の船があって、この船は多分あまくさの方です。あまくさはくちのつに比べ少し小さな船で、写真で見る限り内装もくちのつの方が若干豪華でした。

フェリーあまくさ客席

出港予定を20分近くオーバーし、ようやくフェリーは口之津港を出港しました。天長フェリーの最終便に間に合えばいいけど…

山と海に囲まれた入り組んだ口之津港の風景を眺めていると、私がもしこんな小さな港町に生まれ育ったとしたらどんな人生を送ったんだろうなと、経験したこともない青春を妄想して、大林宣彦監督の作品を見ている時のような切ない気持ちになります。

入江を抜けると、すぐそこに目的地の天草のシルエットが見えてきました。

南国リゾート天草は町からビーチが近くて便利!

美しい海と島影を眺めながらの30分の航路はあっという間。天草の鬼池港に到着です。

車両甲板スロープからは車と人が一緒に下船して行きます。

次なるフェリー乗り場のある中田港を目指し、国道324号線を南へ。港の周囲の国道沿いには、南国ムード溢れるフェニックスが立ち並び、澄んだ遠浅の海が広がっていました。

鬼池港の近くにある若宮海水浴場

海の上を心地よい爽やかな風が吹き抜けます。しかし、ゴールデンウィークだというのにやや閑散としているのは、やはりハイシーズンは夏場ということでしょうか。

丁度引き潮の時間帯で、砂浜には小動物が穿ったような穴が無数に開いていました。

下も空洞になっているのか、歩くと足がめり込むような感覚でとても歩きづらいです。

砂浜に開いた無数の穴

この若宮海水浴場にはキャンプ場も併設されていて、ビーチの脇には食品を売る生鮮品の直売所のようなお店もあり、フェリー港や天草の市街地にも近くて、とても便利な海水浴場なのですが、今回は時間的な問題で通過せざるをえません。いつかまた、キャンプや海水浴で訪れてみたいですね。

思ったより都会な天草市街地

国道をさらに南へと進むと、天草の中心地に出ました。通り沿いには都内でもよく目にするチェーンの飲食店が立ち並び、東京の人間からすると、西の最果てにあるような小島がこれほど栄えていることにかなり驚かされます。

ところで、天草では「苓北」とか「苓南」とか、「苓」という普段あまり目にしない漢字が地名などにやたらと使われているのですが、これは天草地方が古くから、苓州(れいしゅう)と呼ばれていることに由来します。

なぜに、天草に苓という漢字が当てられることになったのかというと、苓とはそもそも漢方薬などに使われるカンゾウのことで、カンゾウ→甘草→天草という当て字で苓州と呼ばれるようになったんだそうです。

島鉄フェリー同様予定時刻より大幅に遅れてくる天長フェリー

市街地を抜け、再び通り沿いに海が見えてくると程なくして、前方にフェリー埠頭によくある赤いゲートみたいなやつが見えてきました。


中田港に到着

時間は15時25分。出航時間は15時55分なので、ちょうどいい時間に到着することができました。

港にはまだ船は到着していません。フェリー乗り場の前には、車が10台ぐらい停められる駐車場があり、フェリー港から通りを挟んだ反対の山側に、天長フェリーの事務所兼待合所の青い建物が建っています。

天長フェリー中田港営業所

事務所の建物の前には、他県ナンバーのリッターバイクが数台並んで停まっていましたが、他には車も人影もまばら。

フェリー乗り場のすぐ横は漁船の繋留所になっていて、漁師と思しき数人の若者が大騒ぎしながら、前の道で一台のトライクバイクを交代で乗り回していました。

事務所でチケットを購入しようやく人心地ついた私達は、フェリーが到着するまで待合所の売店で買ったカップ麺などで、かなり遅めの昼食を取ることにしました。

中田港のチケットカウンター

食事を終えると、そろそろフェリーが到着する時刻です。しかし、港の駐車場へ移動したものの、遥か数キロ先まで見通せる港からは船影らしきは全く見えてきません。

ま・た・か!

島鉄フェリーや天長フェリーのような短距離のフェリーは瀬戸内海や東京湾にもありますが、告知もなくここまで大幅に遅延した経験は今まで一度も無いけどなぁ…

そうこうするうちに、さっきまでガラガラだった駐車場にどこからともなく次々と車が入ってきて、気が付けば8割が埋まっていました。あー、地元の人はみんな、天長フェリーが時間通りに来るわけないって知ってるんですね。

よく、沖縄は路線バスが定刻通りに来ないという話を聞きますが、西九州ではフェリーがそういう感じなのかもしれません。

そして出港時刻になり、沖に目を凝らすとようやく島影からひょっこりと、豆粒ほどの大きさの船の姿が見えてきました。

港に近づいてきたフェリーは、接岸する前に何度か大きく汽笛を鳴らしました。車両甲板スロープの脇には、岸壁に腰を下ろし釣り糸を垂らす人の姿が数人見えましたが、フェリーがけたたましく鳴らす汽笛もどこ吹く風で、船が完全に接岸するまで釣りを続けていました。

フェリー入港お構いなしに釣りを続ける人たち

接岸したフェリーからは続々と車が放出されていきます。しかし例によって、大幅に遅延する理由が見つからないぐらいの乗船率です。

下船はあっという間に終了し乗船が始まりましたが、波の穏やかな内海なので、楔を打ったりバイクにロープをかけたりといった作業もありません。

いやほんま、何でそんなに遅れたん?あれかな、「時刻表です(出港時刻とは言ってない)」みたいな感じか。

天長フェリーは、天草市と長島町と民間の共同経営からなる第三セクターで、保有する船はこの「フェリーロザリオ」のみ。船内は南国らしいポップな配色で、一艘しか無い割には船体もデッキ席もかなり綺麗です。

天長フェリーデッキ席

海に車が落ちそうな天長フェリーの車両甲板

ようやく長島に向かって出港したフェリーですが、舳先を見ると申し訳程度にロープが渡してあるものの、先頭に停まっている車もサイドブレーキだけですからね。すごいなぁ…

海に車が落ちそうな天長フェリーの車両甲板

このやり方で特にトラブルも無くやってこられてるんでしょうけど、私はあそこに停めるのちょっと不安だな。何せ予告もなく20分ぐらい普通に遅れてくるフェリーだし。天長フェリーの歴史の中で、一回ぐらいは先頭の車を海に落としたことがあるんじゃないか?という気がしますが、どうでしょうか。

まぁでも、なんだかんだ言ってフェリーの移動はやっぱり最高!私が地元の人なら、身近な交通機関がこんなにホイホイ遅延するとなると相当苛つくだろうとは思いますが、たまの旅行ならこの日本離れしたおおらかさというか大雑把さはむしろ、「異文化圏に来たな!」という感じがして嫌いじゃないです。(他人事)

長島諸浦港に到着

デッキで心地よい風に吹かれているうちに、長島の諸浦港が見えてきました。ガラッパ荘のある伊佐市までは、ここから国道でズバッと一気に移動できるはずなのですが、果たしてどうなることやら??

・・・つづく

島鉄フェリー口之津フェリーターミナルへのアクセス

住所:長崎県南島原市口之津町丙4134-71

Tel:0969-32-1727(島鉄フェリー鬼池営業所)

URL:http://www.shimatetsu.co.jp/one_html3/pub/default.aspx?c_id=28

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